17 こうして私がエルサレムに帰り、宮で祈っていますと、夢ごこちになり、
18 主を見たのです。主は言われました。『急いで、早くエルサレムを離れなさい。人々がわたしについてのあなたのあかしを受け入れないからです。』
19 そこで私は答えました。『主よ。私がどの会堂ででも、あなたの信者を牢に入れたり、むち打ったりしていたことを、彼らはよく知っています。
20 また、あなたの証人ステパノの血が流されたとき、私もその場にいて、それに賛成し、彼を殺した者たちの着物の番をしていたのです。』
21 すると、主は私に、『行きなさい。わたしはあなたを遠く、異邦人に遣わす』と言われました。」
「こうして私がエルサレムに帰り、宮で祈っていますと、夢ごこちになり、主を見たのです。主は言われました。『急いで、早くエルサレムを離れなさい。・・・』」。(1)この幻の記録は、ここにしか出て来ない。①ダマスコ体験から、エルサレムに上るまでの間に、約3 年間の時間の経過があった(9:20 ~ 22 参照)。②その間パウロは、アラビヤに滞在したようである(使9:21 と22 の間にそれが入る。ガラ1:17 も参照)。(2)3 年間のパウロの地理的移動をまとめると、次のようになる。①回心直後のダマスコ会堂での伝道、②アラビヤ滞在(現在のヨルダン)、③ダマスコへの帰還と迫害からの逃避、④エルサレム訪問と迫害からの逃避、⑤タルソへの帰還。(3)パウロは、エルサレムの神殿で祈っていた。①この説明は、ユダヤ人たちに好印象を与えたと思われる。②主は再び、パウロに語りかけた。「急いで、早くエルサレムを離れなさい」。パウロを殺したいと思っている者がたくさんいた。③「人々がわたしについてのあなたのあかしを受け入れないからです」。主は、ユダヤ人たちの心を見抜いておられた。
「そこで私は答えました。『主よ。私がどの会堂ででも、あなたの信者を牢に入れたり、むち打ったりしていたことを、彼らはよく知っています。また、あなたの証人ステパノの血が流されたとき、私もその場にいて、・・・』」。(1)パウロは、主の判断に同意しなかった。①ユダヤ人たちは、パウロが信者を容赦なく迫害して来たことを知っていた。②ステパノの殉教の際にも、パウロは重要な役割を果たしていた。(2)主よりも自分の方がよく分かっていると思ってしまうのは、人間の弱さである。ペテロの例(マタ16:21 ~ 23)や12 使徒たちの例(マタ26:31 ~ 35)がある。
「すると、主は私に、『行きなさい。わたしはあなたを遠く、異邦人に遣わす』と言われました」。(1)主は、エルサレムがステパノ同様パウロを拒否することを知っておられた。「行きなさい。わたしはあなたを遠く、異邦人に遣わす」。ここでは、「王たち、イスラエルの子孫」が意図的に省略され、異邦人が強調されている(使9:15 ~ 16 参照)。
異邦人は、「以前は遠く離れていた」と言われている(エペ2:13)。パウロは、主によって異邦人伝道に派遣された使徒である。神は、私たち異邦人のために救いの道を用意してくださった。神から愛されていることを喜び、誇ろうではないか。
きょうの祈り
恵み深い父なる神さま。私も、以前は遠く離れていた者でしたが、恵みによって近い者とされました。あなたの愛を喜び、誇ります。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
申命記23~24、マタイの福音書26
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