7 私たちはツロからの航海を終えて、トレマイに着いた。そこの兄弟たちにあいさつをして、彼らのところに一日滞在した。
8 翌日そこを立って、カイザリヤに着き、あの七人のひとりである伝道者ピリポの家に入って、そこに滞在した。
9 この人には、預言する四人の未婚の娘がいた。
10 幾日かそこに滞在していると、アガボという預言者がユダヤから下って来た。
11 彼は私たちのところに来て、パウロの帯を取り、自分の両手と両足を縛って、「『この帯の持ち主は、エルサレムでユダヤ人に、こんなふうに縛られ、異邦人の手に渡される』と聖霊がお告げになっています」と言った。
12 私たちはこれを聞いて、土地の人たちといっしょになって、パウロに、エルサレムには上らないよう頼んだ。
13 するとパウロは、「あなたがたは、泣いたり、私の心をくじいたりして、いったい何をしているのですか。私は、主イエスの御名のためなら、エルサレムで縛られることばかりでなく、死ぬことさえも覚悟しています」と答えた。
14 彼が聞き入れようとしないので、私たちは、「主のみこころのままに」と言って、黙ってしまった。
「幾日かそこに滞在していると、アガボという預言者がユダヤから下って来た」。ここで預言者アガボが登場する。パウロとアガボは、パウロがアンテオケ教会で奉仕をしていた頃からの旧知の仲であった。アガボは、世界中に大ききんが起こると御霊によって預言し、それがクラウデオの治世に成就した預言者である(使11:27 ~ 28)。ここでは、アガボはパウロに預言を伝えるためにカイザリヤに下って来たのであろう。
「彼は私たちのところに来て、パウロの帯を取り、自分の両手と両足を縛って、『「この帯の持ち主は、エルサレムでユダヤ人に、こんなふうに縛られ、異邦人の手に渡される」と聖霊がお告げになっています』と言った」。(1)アガボは、旧約聖書の預言者たちの系譜に立ち、具体的な仕草を通して預言を語った(1 列11:29 ~ 31、イザ20:2 ~ 4、エレ13:1 ~ 7、エゼ4 章など参照)。(2)「聖霊がお告げになっています」は、「【主】は言われる」(旧約)と同意である。アガボは、自分が語る預言の源は、聖霊であると宣言している。(3)彼は、パウロに対する預言を語った。①パウロの帯を取り、自分の両手と両足を縛った。②この帯の持ち主は、エルサレムでユダヤ人に逮捕され、異邦人の手に渡される。(4)しかし、パウロはすでにこのことを主から知らされており、動揺はない。彼には、エルサレムで逮捕されることは、主の計画であるとの確信があった。(5)パウロの同行者たちもカイザリヤの信者たちも、パウロのことを心配した。彼らは、パウロに、エルサレムには上らないように頼んだ。その中には、ルカも含まれていた。これは、愛に基づく忠告だが、人間的な愛に基づく忠告は、危険な場合がある。
「するとパウロは、『あなたがたは、泣いたり、私の心をくじいたりして、いったい何をしているのですか。私は、主イエスの御名のためなら、エルサレムで縛られることばかりでなく、死ぬことさえも覚悟しています』と答えた。・・・私たちは、『主のみこころのままに』と言って、黙ってしまった」。(1)彼らの忠告は、パウロにさらなる痛みと悲しみを与えるだけであった。パウロは、自分の命以上に、主イエスの命令に従うことを重視した。(2)彼らは、「主のみこころのままに」と言って、黙ってしまった。私たちも、自分の判断を優先させるのではなく、祈りの最後に「主のみこころのままに」と言おうではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。自分自身の判断を優先するのではなく、あなたのご判断を優先します。すべては、あなたのみこころのままに。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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民数記33~34、詩篇21~22
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