35 夜が明けると、長官たちは警吏たちを送って、「あの人たちを釈放せよ」と言わせた。
36 そこで看守は、この命令をパウロに伝えて、「長官たちが、あなたがたを釈放するようにと、使いをよこしました。どうぞ、ここを出て、ご無事に行ってください」と言った。
37 ところが、パウロは、警吏たちにこう言った。「彼らは、ローマ人である私たちを、取り調べもせずに公衆の前でむち打ち、牢に入れてしまいました。それなのに今になって、ひそかに私たちを送り出そうとするのですか。とんでもない。彼ら自身で出向いて来て、私たちを連れ出すべきです。」
38 警吏たちは、このことばを長官たちに報告した。すると長官たちは、ふたりがローマ人であると聞いて恐れ、
39 自分で出向いて来て、わびを言い、ふたりを外に出して、町から立ち去ってくれるように頼んだ。
40 牢を出たふたりは、ルデヤの家に行った。そして兄弟たちに会い、彼らを励ましてから出て行った。
「夜が明けると、長官たちは警吏たちを送って、『あの人たちを釈放せよ』と言わせた。・・・」。(1)翌朝、長官たちから派遣された警吏たちがやって来た。①騒ぎを起こした者を懲らしめるというのが、長官たちの意図だったのだろう。②彼らが派遣したのは、パウロとシラスをむち打った警吏たちである。③警吏たちは、「あの人たちを釈放せよ」という命令を看守に伝えた。④それを聞いた看守は、大喜びでパウロに、このグッドニュースを伝えた。
「パウロは、・・・こう言った。『彼らは、ローマ人である私たちを、取り調べもせずに公衆の前でむち打ち、牢に入れてしまいました。それなのに今になって、ひそかに私たちを送り出そうとするのですか。・・・』」。(1)パウロは、ローマの市民権に基づく権利を主張した。①長官たちは、ローマ市民を裁判にかけずに公衆の前で辱め、投獄した。②そこでパウロは、長官たちに2 つのことを要求した。彼ら自身が出向いて来て、公に謝罪すること、彼ら自身が自分たちを牢から連れ出すこと。(2)これは、個人的な復讐心から出たことではなく、ピリピ教会がローマ市民によって立てられたことを印象づけるための、パウロの戦略である。
「・・・すると長官たちは、ふたりがローマ人であると聞いて恐れ、 自分で出向いて来て、わびを言い、・・・町から立ち去ってくれるように頼んだ」。長官たちは、恐れた。ローマ市民から告訴されたなら自分たちが罰せられるので、二人の言う通りにした。そして、二人に町から立ち去ってくれるように頼んだ。民衆が依然として二人に敵意を抱いていたからである。
「牢を出たふたりは、ルデヤの家に行った。・・・」。(1)パウロとシラスは、町を去るためにルデヤの家に行った。そこには、生まれたばかりのピリピ教会が集っていた。二人は、若い信者の集まりを励ましてから、町を去った。(2)使徒16:40 で、主語が「私たち」から「彼ら」に変わる。①ルカは、ピリピに留まったのであろう。②使徒20:5 ~ 6 で、「私たち」に戻る。ここは、パウロの一行がピリピを通過する箇所である。
ピリピ伝道から学ぶ教訓は、「福音は、すべての人に救いをもたらす神の力である」というものである。ルカは、ピリピで信者となった3 人の人たちを描いている。①ルデヤ(上流階級の裕福な婦人)、②女奴隷(下層階級の貧しい女)、③看守(中流階級の代表)。私たちも、この中に含まれていることを神に感謝しようではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。福音は、すべての人に救いをもたらす神の力です。私にも福音が与えられ、救いに加えられたことを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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歴代誌 第二35~36、ヨハネの黙示録22
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