8 それでムシヤを通って、トロアスに下った。
9 ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
10 パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
パウロの一行は、東から西に移動している。ところが、①アジアでみことばを語ることを聖霊によって禁じられ(16:6)、②次に、ムシヤに面した所に来た時、ビテニヤの方に行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった(16:7)。そこで一行は、「ムシヤを通って、トロアスに下った」
(1)先に進むということが、パウロの伝道計画の基本である。つまり、東に戻るという選択肢はないのである。ところが、①西(アジア)に行くことを禁じられ、②北(ビテニヤ)に行くことも禁じられた。③唯一開いている方向は、北西である。北西の方向に進むと、トロアスに着く。(2)トロアスは、エーゲ海の向こう側にギリシアが見える港町である。この町は、小アジアとヨーロッパを結ぶ重要な港町で、また、エーゲ海と黒海を結ぶ港町でもある。位置的には、古代都市トロイから約40 キロ南にある。(3)トロアスに着いたパウロは、途方に暮れたことであろう。これ以上先に進むためには、船に乗るしかない。
「ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、『マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください』と懇願するのであった」。(1)パウロには自分の計画はなかった。彼は、神の導きをひたすら待っていた。(2)トロアスに着いて間もないある夜、パウロは幻を見た。「ひとりのマケドニヤ人」がパウロの前に立って、こう懇願した。「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」。「私たち」という言葉で、その人がマケドニヤ人であることが分かる。この人はルカだと考える学者もいるが、それは単なる推測である。(3)マケドニヤは、ギリシアの北部、トロアスからエーゲ海を超えて真西に位置する。マケドニヤ人は、ヨーロッパ人である。ヨーロッパは、キリストの福音を必要としていた。ここから、福音が西回りで広がって行く動きが始まる。
私たちも、これから先どうしようかと途方に暮れることがあるが、それは神の声を聞くチャンスでもある。先が見えなくなった時、途方に暮れた時、トロアスでのパウロの状態を思い起こそう。神は、私たちが考えるよりも大きな計画を持っておられる。向かうべき地が示されるように、神に祈ろう。
きょうの祈り
恵み深い父なる神さま。先が見えなくなった時は、あなたの声を聞く時です。どうか、ご計画のままに私を導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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