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使徒の働き15:1 ~ 5

1 さて、ある人々がユダヤから下って来て、兄弟たちに、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と教えていた。

2 そしてパウロやバルナバと彼らとの間に激しい対立と論争が生じたので、パウロとバルナバと、その仲間のうちの幾人かが、この問題について使徒たちや長老たちと話し合うために、エルサレムに上ることになった。

3 彼らは教会の人々に見送られ、フェニキヤとサマリヤを通る道々で、異邦人の改宗のことを詳しく話したので、すべての兄弟たちに大きな喜びをもたらした。

4 エルサレムに着くと、彼らは教会と使徒たちと長老たちに迎えられ、神が彼らとともにいて行われたことを、みなに報告した。

5 しかし、パリサイ派の者で信者になった人々が立ち上がり、「異邦人にも割礼を受けさせ、また、モーセの律法を守ることを命じるべきである」と言った。

エルサレム会議(3)

エルサレムへの旅(3 節)

「彼らは教会の人々に見送られ、フェニキヤとサマリヤを通る道々で、異邦人の改宗のことを詳しく話したので、すべての兄弟たちに大きな喜びをもたらした」。エルサレムへの途上、彼らは、フェニキアとサマリヤを通過した。フェニキアは、異邦人の地域である。サマリヤは、サマリヤ人の地域である。彼らは、異邦人地区とサマリア人地区に設立された諸教会で第一次伝道旅行の証しをし、すべての兄弟たちに大きな喜びをもたらした。異邦人信者とサマリヤ人信者は、異邦人の信者が増加することを素直に喜んだのである。
訳語を比較してみよう。「異邦人の改宗のことを詳しく話したので、」(新改訳)、「異邦人の回心について詳しく伝えたので、」(新改訳2017)、「異邦人が改宗した次第を詳しく伝え、」(新共同訳)、「異邦人たちの改宗の模様をくわしく説明し、」(口語訳)。以上の比較から、証しの内容が「異邦人の回心」であったことが分かる。

エルサレムに到着(4 ~ 5 節)

「エルサレムに着くと、彼らは教会と使徒たちと長老たちに迎えられ、神が彼らとともにいて行われたことを、みなに報告した」。(1)代表団は、エルサレム教会から歓迎された。使徒たち、長老たち、教会全体が、一行を迎えた。(2)代表団は、第一次伝道旅行の報告をした。異邦人は、恵みと信仰のみによって救われるという報告である。
「しかし、パリサイ派の者で信者になった人々が立ち上がり、『異邦人にも割礼を受けさせ、また、モーセの律法を守ることを命じるべきである』と言った」。(1)ユダヤ主義者たちが、サウロとバルナバの報告に反論した。彼らは、イエスを信じたパリサイ人たちである。かつてのパウロもパリサイ派であったので、彼らの気持ちはよく理解できたであろう。(2)彼らの主張は、以下の2 点である。救いのために割礼を受けさせるべきである。聖化のために、モーセの律法を守らせるべきである。
ここでは、2 つの重要な真理が攻撃を受けている。福音とは何か。神は御子イエスを犠牲にし、救いの道を開いてくださった。人間は、イエスを救い主として受け入れるだけで救われる。福音に何かを付け足したなら、それは福音ではなくなる。教会とは何か。教会は、ユダヤ人信者からなる組織なのか。あるいは、新しく造られた組織なのか。教会とは、ユダヤ人信者と異邦人信者から成る新しいひとりの人である(エペ2:1416)。

きょうの祈り

天の父なる神さま。誤った教えに直面したときは、使徒たちの教えを思い出し、真理に立つことができるよう助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

歴代誌 第一4~5、詩篇129~130