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使徒の働き15:1 ~ 5

1 さて、ある人々がユダヤから下って来て、兄弟たちに、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と教えていた。

2 そしてパウロやバルナバと彼らとの間に激しい対立と論争が生じたので、パウロとバルナバと、その仲間のうちの幾人かが、この問題について使徒たちや長老たちと話し合うために、エルサレムに上ることになった。

3 彼らは教会の人々に見送られ、フェニキヤとサマリヤを通る道々で、異邦人の改宗のことを詳しく話したので、すべての兄弟たちに大きな喜びをもたらした。

4 エルサレムに着くと、彼らは教会と使徒たちと長老たちに迎えられ、神が彼らとともにいて行われたことを、みなに報告した。

5 しかし、パリサイ派の者で信者になった人々が立ち上がり、「異邦人にも割礼を受けさせ、また、モーセの律法を守ることを命じるべきである」と言った。

エルサレム会議(1)

文脈の確認

第一次伝道旅行(13:1 ~ 1428)が終わった。そして、教会史の中での極めて重要な出来事が、起こり始めていた。重要な出来事とは、福音の本質と教会の本質を巡る神学的議論である。教会は、奥義である(旧約聖書には預言されていなかった)。教会は、突如現れた。そこから異邦人信者に関する種々の課題が生まれて来た。異邦人信者とユダヤ人信者の関係は、どのようなものなのか。異邦人信者の教会における位置は、どのようなものなのか。この課題を論じるのが、エルサレム会議である。この会議について、数回に分けて学ぶ。

ユダヤ主義者の来訪(1 節)

「さて、ある人々がユダヤから下って来て、兄弟たちに、『モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない』と教えていた」。(1)ある人々とは、いわゆるユダヤ主義者である。彼らは、ガラテヤ2:12 にある「ヤコブのところから来た人々」と同じ種類の人々である。彼らは、エルサレム教会から認定を受けて派遣されて来たわけではなく、「正統派ユダヤ教」の守護者を自認していた人々である。(2)彼らが教えた教理は間違っていた。彼らは救いの条件として、割礼を受けることを命じたが、それは、使徒1118 の出来事を忘れていたか、無視していたかのいずれかであろう。コルネリオの救いは、エルサレム教会によって正式に承認された(割礼が救いの条件ではない)。さらに彼らは、アンテオケ教会が2 年にわたって行った異邦人伝道の成果を無視したのである。
「モーセの慣習に従って」とは、ユダヤ教の律法に従うという意味である。割礼は、ユダヤ教の律法に従うことの手始めである。つまり彼らは、異邦人は先ずユダヤ教に改宗しないと救われないと教えたのである。これは、パウロが伝えた「神の恵みの福音」と対立するものである(使133839)。
福音は、「神の恵みの福音」である。神は御子イエスを犠牲にし、救いの道を開いてくださった。人間は、主イエスを救い主として受け入れるだけで救われる。救いに関して、人間にできることはない。もし福音に何かを付け足したなら、それは「神の恵みの福音」ではなくなる。何かを付加することは、福音に少し異質なものが加わったということではなく、「別の福音」に変容したことになる。悪魔が神の働きを妨害するために用いる常套じょうとう手段は、「嘘」である。悪魔の嘘は、もっともらしく聞こえるものである。

きょうの祈り

天の父なる神さま。悪魔の嘘に惑わされることなく、恵みの福音に立ち続けられるよう、御霊によって助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ネヘミヤ記13、歴代誌 第一1、ユダの手紙

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