説教に対する反応（2）

「次の安息日には、ほとんど町中の人が、神のことばを聞きに集まって来た。しかし、この群衆を見たユダヤ人たちは、ねたみに燃え、･･･」。（1）次の安息日に、ほとんど町中の人が、パウロの説教を聞きに集まって来た。ユダヤ人の指導者たちは、1 週間の間、熱心に聖書を調べたに違いない。（2）ユダヤ人たちは、反発した。これは、福音そのものに対する反発ではない。彼らは、異邦人が大挙して会堂に押し寄せて来たことで、ねたみを覚えたのである。このまま行けば、ユダヤ教の伝統や律法は無視されてしまう。（3）そこで彼らは、「パウロの話に反対して、口ぎたなくののしった」。その結果、パウロとバルナバは、これ以上説教を続けることができなくなった。
そこで彼らは、こう宣言した。「神のことばは、まずあなたがたに語られなければならなかったのです。しかし、あなたがたはそれを拒んで、自分自身を永遠のいのちにふさわしくない者と決めたのです。見なさい。私たちは、これからは異邦人のほうへ向かいます。･･･」。（1）自分たちは、神のことばを先ずユダヤ人に語るという使命を果たした。神が定めた伝道の順番は、先ずユダヤ人、次に異邦人である（ロマ1：16 参照）。（2）ピシデヤのアンテオケのユダヤ人共同体は、キリストの福音を拒否した。つまり、永遠のいのちの提供を拒否したのである。（3）それゆえパウロとバルナバは、次に異邦人に向かう。このパターンは、パウロがローマに着くまで続く。（4）さらにパウロは、イザヤ49：6 を引用する。「･･･わたしはあなたを諸国の民の光とし、地の果てにまでわたしの救いをもたらす者とする」。集会に出席していた異邦人たちは、大いに喜んだ。彼らは罪の赦しと律法からの解放をもたらしてくれる主のみことばを賛美した。（5）「永遠のいのちに定められていた人たちは、みな、信仰に入った」。神の選びの教理がここに啓示されている。ユダヤ人にも異邦人にも、選ばれた人がいる。彼らはみな、信仰に入った。神の主権と人間の自由意思は、ともに信じなければならない。人間の理性では矛盾に見えるかもしれないが、神にとっては矛盾ではない。（6）「こうして、主のみことばは、この地方全体に広まった」。神に選ばれた人たちによって、福音はこの地方全体に広まった。しかし、ユダヤ人たちは、それとは正反対の行動を起こした。私たちも、福音に関して中立であることはできない。喜んで福音を受け入れる人は幸いである。