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使徒の働き11:27 ~ 30

27 そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケに下って来た。

28 その中のひとりでアガボという人が立って、世界中に大ききんが起こると御霊によって預言したが、はたしてそれがクラウデオの治世に起こった。

29 そこで、弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援の物を送ることに決めた。

30 彼らはそれを実行して、バルナバとサウロの手によって長老たちに送った。

アンテオケ教会の善行(1)

これまでの教会成長の過程

教会は、最初はユダヤ人信者だけで構成されていた(2 章)。次にサマリヤ人信者が加えられた(8 章)。最後に、異邦人信者が加えられた(10 章)。カイザリヤの信者は少数であったが、アンテオケ教会は多くの異邦人信者を含む教会となった。すでに見たように、アンテオケ教会の誕生と成長は、神によるものであった。当時のキリスト教会は、楕円だえん形のイメージで表現できる。一つの焦点しょうてんは、エルサレム教会(ユダヤ人教会)。もう一つの焦点は、アンテオケ教会(異邦人教会)。この2 つの教会は、親密な交わりを維持いじしていた。アンテオケ教会は、ユダヤ人信者を支援する最初の異邦人教会となる。両教会の関係には、現代に適用される霊的原則がある。

預言者たち

「そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケに下って来た」。(1)「そのころ」とは、バルナバとサウロがアンテオケ教会で奉仕を始めてから約1 年後のことである。紀元44 年頃であろう。(2)「預言者たち」とはどういう人か。預言者とは、神の啓示を直接受け取り、権威をもって民に伝える人である。ユダヤ教のラビたちは、最後の預言者はマラキ(前5 世紀)であると考えていた。彼らは、マラキを最後に、公式な預言は終わったと教えていたのである。ラビたちは間違いを教えることが多いが、ここでもそうである。使徒の働きの中には、数名の預言者たちが登場する。先に行ってから見るが、アンテオケ教会にも預言者たちがいた。「さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた」(使13:1)。 (3)預言者の一団が、エルサレムからアンテオケに下って来た。これは、両教会の間に親密な交流があったことの証拠である。
新約聖書が完成するまでの時代、神は預言者を通して多くのことを語られた。新約時代の預言者たちは、旧約時代と新約時代の間にあるギャップを埋める役割を果たした。しかし、新約聖書の完成と同時に、預言者の役割は終わった。今の時代においては、神はみことばを通してお語りになる。日々のデボーションを通して神と交わる人は幸いである。

きょうの祈り

天の父なる神さま。今の時代、あなたは聖書を通して語ってくださいます。みことばを正しく理解できるよう御霊によって助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨブ記19~21、ヘブル人への手紙1

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