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使徒の働き11:4 ~ 17

4 そこでペテロは口を開いて、事の次第を順序正しく説明して言った。

5 「私がヨッパの町で祈っていると、うっとりと夢ごこちになり、まぼろしを見ました。四隅よすみをつり下げられた大きな敷布しきふのような入れ物が天から降りて来て、私のところに届いたのです。

6 その中をよく見ると、地の四つ足のけもの野獣やじゅう、はうもの、空の鳥などが見えました。

7 そして、『ペテロ。さあ、ほふって食べなさい』と言う声を聞きました。

8 しかし私は、『主よ。それはできません。私はまだ一度も、きよくない物やけがれた物を食べたことがありません』と言いました。

9 すると、もう一度天から声がして、『神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない』というお答えがありました。

10 こんなことが三回あって後、全部の物がまた天へ引き上げられました。

11 すると、どうでしょう。ちょうどそのとき、カイザリヤから私のところへつかわされた三人の人が、私たちのいた家の前に来ていました。

12 そして御霊は私に、ためらわずにその人たちといっしょに行くように、と言われました。そこで、この六人の兄弟たちも私に同行して、私たちはその人の家に入って行きました。

13 その人が私たちに告げたところによると、彼は御使いを見ましたが、御使いは彼の家の中に立って、『ヨッパに使いをやって、ペテロと呼ばれるシモンをまねきなさい。

14 その人があなたとあなたの家にいるすべての人を救うことばを話してくれます』と言ったというのです。

15 そこで私が話し始めていると、聖霊が、あの最初のとき私たちにお下りになったと同じように、彼らの上にもお下りになったのです。

16 私はそのとき、主が、『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは、聖霊によってバプテスマを授けられる』と言われたみことばを思い起こしました。

17 こういうわけですから、私たちが主イエス・キリストを信じたとき、神が私たちに下さったのと同じ賜物を、彼らにもお授けになったのなら、どうして私などが神のなさることを妨げることができましょう。」

ペテロの弁明(2)

カイザリヤ訪問

「・・・そこで、この六人の兄弟たちも私に同行して、私たちはその人の家に入って行きました」。(1)神の権威によって自らの行為を正当化するのは、古代世界での常套じょうとう手段である。ペテロも同じ論法を用いている。 6 人のユダヤ人の兄弟たちがペテロに同行した。彼らは、ペテロの行為を弁護する証人たちである。2 人の証人(最低限の人数)× 3 = 6 人の証人となる。弁明の途中で、「この六人の兄弟たち」と言いながら、ペテロは彼らを指さしたことであろう。(2)ペテロの話は、旅程を省略して、コルネリオの家に入ったところに飛ぶ。
「その人が私たちに告げたところによると、彼は御使いを見ましたが、御使いは彼の家の中に立って、『ヨッパに使いをやって、ペテロと呼ばれるシモンを招きなさい。・・・』と言ったというのです」。コルネリオが見た幻は、以下のようなものであった。天使は、ヨッパにいるペテロと呼ばれるシモンを招くように命じた。天使は、その人があなたとあなたの家にいるすべての人を救うことばを話してくれると告げた。この時点では、コルネリオとその家の人たちは、まだ救われていなかった。
「そこで私が話し始めていると、聖霊が、あの最初のとき私たちにお下りになったと同じように、彼らの上にもお下りになったのです。・・・」。(1)話を聞いていた彼らの上に、聖霊が下った。これは、彼らが救われたことの証明である。「あの最初のとき私たちにお下りになったと同じように、」とは、ペンテコステの日(使2 章)に起こったことへの言及である。異言で語ったことが、聖霊が下ったことのしるしとなった。(2)ここでペテロは、主イエスのことばを思い出した。「ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは、聖霊によってバプテスマを授けられる」。主イエスのこの約束が、異邦人の上にも成就した。
「こういうわけですから、・・・どうして私などが神のなさることを妨げることができましょう」。(1)神は、信じた異邦人に同じ賜物たまものをお授けになった。「同じ賜物」とは、「賜物としての聖霊」である。この点に関しては、ユダヤ人と異邦人の区別はない。異邦人も、信じるだけで救われ、聖霊を受ける。(2)人間は、神のわざに逆らうことができない。ペテロの行為を批判する人は、神の業に逆らっているのである。
成長したペテロの姿には目を見張るものがある。私たちも、御霊による成長を期待しよう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたの業を妨げることなどできません。逆らうのではなく、従うことができるよう、御霊によって助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

マラキ書3~4、テモテへの手紙 第二4