汚れた動物の幻

ペテロは、何が起こったかを時系列順に説明した。①汚れた動物の幻（使10：9 ～ 16）。②それに続く出来事（使10：17 ～ 48）。
「私がヨッパの町で祈っていると、うっとりと夢ごこちになり、幻を見ました。四隅をつり下げられた大きな敷布のような入れ物が天から降りて来て、私のところに届いたのです。 その中をよく見ると、地の四つ足の獣、野獣、はうもの、空の鳥などが見えました。そして、『ペテロ。さあ、ほふって食べなさい』と言う声を聞きました」。（1）ペテロは、きよい動物ときよくない動物が敷布の中にいたことを強調した。ここでは、新しい情報が追加されている（これは、ペテロの体験談である）。①「天から降りて来て」、②「私のところに届いた」、③「その中をよく見ると」、④「野獣」（野の獣）。（2）さらに彼は、天からの声の内容を強調した。①この声は、バット・コルである。②父なる神からの語りかけである。③「ペテロ。さあ、ほふって食べなさい」という命令である。
「しかし私は、『主よ。それはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません』と言いました。すると、もう一度天から声がして、『神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない』というお答えがありました。･･･」。（1）ペテロは、不浄ふじょうな食物を食べることを拒否きょひした。（2）すると、もう一度バット・コルが下った。「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」。（3）同じことが3 回繰り返された。ペテロの訓練には、3 という数字が付きものである。
「すると、どうでしょう。ちょうどそのとき、カイザリヤから私のところへ遣わされた三人の人が、私たちのいた家の前に来ていました。そして御霊は私に、ためらわずにその人たちといっしょに行くように、と言われました。そこで、この六人の兄弟たちも私に同行して、･･･」。ペテロがカイザリヤに行ったのは、自分の考えによるのではない。①カイザリヤから遣わされた3 人の使者が家の前に来た。②聖霊が、ためらわずに彼らとともに行くようにと言われた。③そこでペテロは、その命令に従った。
ペテロにカイザリヤに行くように命じたのは、聖霊である。聖霊は人格を持ったお方であり、人に語りかけることができる。使徒の働きの中での聖霊の働きを観察することによって、今も働いておられる聖霊の導きに対する感受性を養おうではないか。