1 さて、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちは、異邦人たちも神のみことばを受け入れた、ということを耳にした。
2 そこで、ペテロがエルサレムに上ったとき、割礼を受けた者たちは、彼を非難して、
3 「あなたは割礼のない人々のところに行って、彼らといっしょに食事をした」と言った。
教会は、最初はユダヤ人信者だけで構成されていた(2 章)。次にサマリヤ人信者が加えられ(8 章)、最後に異邦人信者が加えられた(10 章)。ペテロは、異邦人の救いのためにカイザリヤのコルネリオ宅を訪問し、そこに集まっていた人たちに福音を語った。まだ語っている途中で、聖霊が彼らの上に下った。つまり、異邦人はユダヤ教に改宗しなくても救われたのである。信じた者たちは、ただちに洗礼を受けた。ペテロは、数日間そこに留まった。
ペテロがエルサレムに帰還する前に、カイザリヤでの出来事が噂として広範囲に伝わった。サマリヤ人の救いは、ユダヤ人にとっては許容範囲内のことであったが、異邦人の救いは、想定外のことであった。
「そこで、ペテロがエルサレムに上ったとき、割礼を受けた者たちは、彼を非難して、『あなたは割礼のない人々のところに行って、彼らといっしょに食事をした』と言った」。 (1)エルサレムに帰還したペテロを待っていたのは、「割礼を受けた者たち」(ユダヤ人信者)の激しい非難の言葉であった。(2)彼らは、異邦人は救われる前に割礼を受けなければならないと考えていた。使徒たちのリーダーであるペテロがユダヤ人信者たちから挑戦を受けるのは、これが初めてのことであり、この時教会は、分裂の危機に直面した。(3)非難の主な理由は、異邦人にみことばを語り、救いに導いた、ということではない。異邦人のもてなしを受けたことが、非難の理由であった。①ローマ人の家に入った。②食事のもてなしを受けた。③客間で寝た。この非難の根底には、異邦人は儀式的に汚れているという考え方があった。ペテロが「汚れた動物の幻」を見せられた理由が、次第に明らかになる。(4)ユダヤ人信者たちは、ユダヤ人伝道への悪影響を恐れた。彼らはこう考えたのであろう。①ペテロが衝動的に行動する人物であることは分かるが、これはやり過ぎである。②ユダヤ人たちは、異邦人と親しくしている者の言葉には耳を傾けないだろう。③教会は、しばらく平和な時期を過ごしていたが、これでユダヤ人伝道の可能性が閉ざされるはずだ。
私たちにも、神の御心に沿って奉仕をしている人を批判することがある。それは、無知と不信仰から来る愚かな行為である。神の御心を求めることなしに、主の奉仕者を批判してはならない。即断という愚かな習慣から解放されるように祈ろう。
きょうの祈り
天の父よ。どうか、私を無知と不信仰から解放してくださり、主の奉仕者を見分ける目を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ゼカリヤ13~14、詩篇97~98
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