9 その翌日、この人たちが旅を続けて、町の近くまで来たころ、ペテロは祈りをするために屋上に上った。昼の十二時ごろであった。
10 すると彼は非常に空腹を覚え、食事をしたくなった。ところが、食事の用意がされている間に、彼はうっとりと夢ごこちになった。
2 つの幻が、コルネリオとペテロの出会いを作り出す。①カイザリヤにいた百人隊長コルネリオは、幻の中で天使の御告げを受けた。ヨッパに人を遣って、皮なめしのシモンの家に滞在しているペテロを招けと。②ペテロが見た幻は、これから起こることに対してペテロを準備するための幻である。当時は、ユダヤ人が異邦人の家を訪問することはタブーであった。
「その翌日、この人たちが旅を続けて、町の近くまで来たころ、ペテロは祈りをするために屋上に上った。昼の十二時ごろであった」。(1)「その翌日」とは、コルネリオが幻を見た翌日であり、コルネリオの使者たちの旅の2 日目である。使者たちは、町の近くまで来た。そのタイミングで、ペテロは屋上に上った。(2)当時のパレスチナの家には、屋上があった。木の梁を組み、その上に泥と藁を混ぜたものを置いた。泥が固まると、強固な床となった。屋上は、一人で静まるためには最適の場所である。(3)「昼の十二時頃」とあるが、ユダヤ教の祈りの時間は、午前9 時と午後3 時である。昼の12 時は、自発的な祈りの時間である。恐らくペテロは、悪臭から逃れ、海風を呼吸しながら祈ろうとでも思ったのであろう。
「すると彼は非常に空腹を覚え、食事をしたくなった。ところが、食事の用意がされている間に、彼はうっとりと夢ごこちになった」。(1)祈ろうと思っている時に空腹を覚えるのは、誰にでもある経験だろう。ちょうどその時間に、階下では食事の準備がされていた。当時は、午餐が一番豪華なものであった。良い匂いが階下から漂って来たことであろう。(2)「彼はうっとりと夢ごこちになった」。訳文を比較してみよう。①「人々が食事の用意をしているうちに、彼は夢心地になった」(新改訳2017)。②「人々が食事の準備をしているうちに、ペトロは我を忘れたようになり」(新共同訳)。③「人々が食事の用意をしている間に、夢心地になった」(口語訳)。④「人の食を調ふるほどに我を忘れし心地して」(文語訳)。⑤「while they made ready, he fell into a trance,」(KJV)。(3)「夢ごこち」はギリシア語で「エクスタシス」である。神は、空腹のペテロに、食物を用いて霊的教訓を教えようとされた。
神は、日々の出来事も、それが起こるタイミングも、支配しておられる。神の許しがなければ、何一つ起こらない。神を信じる者にとって、偶然はない。このことを覚え、励ましをいただこう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。日々の出来事のすべては、あなたの許しのもとで起きています。私の人生をも導いてくださることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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