1 さて、カイザリヤにコルネリオという人がいて、イタリヤ隊という部隊の百人隊長であった。
2 彼は敬虔な人で、全家族とともに神を恐れかしこみ、ユダヤの人々に多くの施しをなし、いつも神に祈りをしていたが、
文脈を確認してみよう。①ペテロは、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの町々を巡り、教会を建て上げた。②ルダでは、8 年間床に着いていたアイネヤが癒された。③ヨッパでは、タビタ(ドルカス)が死からよみがえった。④ペテロは、ヨッパの皮なめしのシモンの家に滞在した。ここから、物語は2 つの幻に移行していく。
(1)カイザリヤは、ヨッパから約50 キロ北に位置する港町で、ユダヤを統治するためのローマ帝国の首都であった。(2)元はストラトの塔と呼ばれる港町であったが、ヘロデ大王が巨大なギリシア・ローマ風の都市に造り替えた(前25 ~ 13 年)。その結果、カイザリヤは帝国内のどこにでも行ける港町となった。さらにヘロデは、20 キロメートル以上に及ぶ導水橋を建設した(カルメル山系から水を運んだ)。(3)紀元41 ~ 44 年、ヘロデ・アグリッパ1 世は自分の軍隊をこの町に駐留させていたが、コルネリオが幻を見たのはそれ以前のことである。(4)異邦人の町であったが、ユダヤ人も多く住んでいた。紀元66 年、1 日で2 万人のユダヤ人たちが殺されるという事件が起こり、第1 次ユダヤ戦争の勃発、紀元70 年のエルサレム崩壊へとつながって行った。
(1)兵士の勤務は通常17 歳~ 37 歳の20 年間。給料は良いが、20 年間を生き延びるのは約半数であった。(2)百人隊長になるためには、15 年以上の実績が必要であった。給料は兵士の15 倍だったと言われている。百人隊長に要求される資質は、好戦的でなく、冷静な判断ができ、攻撃された場合は断固戦うという姿勢を有する、などである。(3)百人隊長は兵士100 人の指揮官である(80人の場合もあった)。歩兵隊の一隊は、600 人で編成されていた(6 人の百人隊長がいた)が、カイザリヤには5 隊が駐屯していた(3,000 人の兵士と30 人の百人隊長)。エルサレムには、1 隊が駐屯していた(600 人の兵士と6 人の百人隊長)(ヨハ18:3 参照)。レギオン(軍団)は、10 隊から成る軍団である(6,000人の兵士と60 人の百人隊長)。(4)コルネリオは、イタリヤ隊の百人隊長であった。600 人の兵士全員が、イタリヤ出身である。
いよいよ異邦人が救われる時が近づいて来た。コルネリオの救いは、私たち異邦人クリスチャンの救いに直結している。聖書の物語は、歴史そのものである。そのことを思い、勇気をいただこう。
きょうの祈り
全知全能なる神よ。あなたは歴史を導かれる神です。すべてのことは、あなたの御心の通りに進んでいます。あなたを信頼します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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