32 さて、ペテロはあらゆる所を巡回したが、ルダに住む聖徒たちのところへも下って行った。
33 彼はそこで、八年の間も床に着いているアイネヤという人に出会った。彼は中風であった。
34 ペテロは彼にこう言った。「アイネヤ。イエス・キリストがあなたをいやしてくださるのです。立ち上がりなさい。そして自分で床を整えなさい。」すると彼はただちに立ち上がった。
35 ルダとサロンに住む人々はみな、アイネヤを見て、主に立ち返った。
前回の箇所でサウロの物語は一次中断し、ここからペテロの奉仕の記録に入って行く。この記録は、サウロが異邦人の使徒として活躍する舞台を準備するためのものである。前回ペテロが登場したのは、使徒8:25 であった。「このようにして、使徒たちはおごそかにあかしをし、また主のことばを語って後、エルサレムへの帰途につき、サマリヤ人の多くの村でも福音を宣べ伝えた」。サウロがタルソに移住して以降、平和な時期が数年間続いた(使9:31)。この時期にペテロは、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの町々を巡り、教会を建て上げて行った。
「さて、ペテロはあらゆる所を巡回したが、・・・」。(1)ペテロが行ったのは、あくまでもユダヤ人伝道であった。ルカは、2 つの町(ルダとヨッパ)でのペテロの奉仕について記録している。彼の奉仕の内容は、主イエスの奉仕を思い出させる。また、ペテロの奉仕とパウロの奉仕の間に類似性があることも見落としてはならない。(2)ルダとヨッパでの奉仕以降も、ペテロは広範囲にわたり巡回伝道を行ったと思われる。① 1 コリント9:5 にはこうある。「私たちには、ほかの使徒、主の兄弟たち、ケパなどと違って、信者である妻を連れて歩く権利がないのでしょうか」。ケパとはペテロのことである。② 1 ペテロ1:1 にはこうある。「イエス・キリストの使徒ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤに散って寄留している、選ばれた人々、すなわち、 ・・・」。(3)ここでルカが取り上げている地区での伝道は、ピリポが先駆者であった。①使徒8:40 にはこうある。「それからピリポはアゾトに現れ、すべての町々を通って福音を宣べ伝え、カイザリヤに行った」。②ルカは、ペテロの奉仕の場として、2 つの町を特記している。ルダとヨッパにおいて、ペテロによって大いなるしるしが行われた。そのしるしは、主イエスの働きを思い出させる。
奇跡や「しるし」を行う能力は、真の使徒であることの証明である。「使徒としてのしるしは、忍耐を尽くしてあなたがたの間で行われた、しるしと不思議と力あるわざです」(2 コリ12:12)。使徒の使命は、普遍的教会の建て上げである(エペ4:11 ~ 13)。使徒たちは教会の土台となっているので(エペ2:20)、使徒職は今も失われていないし、回復する必要もない。歴史上起こったことと、普遍的に適用すべき真理とを区別することを学ぼう。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。今、私は使徒たちという土台の上に立っています。使徒たちの教ええの真理を理解する力を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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