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使徒の働き9:19 b~ 21

19 食事をして元気づいた。サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちとともにいた。

20 そしてただちに、諸会堂で、イエスは神の子であると宣べ伝え始めた。

21 これを聞いた人々はみな、驚いてこう言った。「この人はエルサレムで、この御名を呼ぶ者たちを滅ぼした者ではありませんか。ここへやって来たのも、彼らを縛って、祭司長たちのところへ引いて行くためではないのですか。」

サウロのダマスコでの伝道(1)

ただちに

「サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちとともにいた。そしてただちに、諸会堂で、イエスは神の子であると宣べ伝え始めた」。(1)サウロは、アナニヤの訪問を受けた直後に、ユダの家から弟子たちの中の誰かの家に移ったようである。彼は、「数日の間」ダマスコの弟子たちとともにいた。(2)サウロは、時間を無駄にせず、直ちに伝道を開始した。一旦確信したなら、すぐに行動を起こすのがサウロである。サウロは、当初の目的とは正反対の目的で諸会堂を訪問するようになった。彼は、大祭司カヤパの命令ではなく、天の大祭司の命令に従い始めたのである。(3)彼は、「イエスは神の子であると宣べ伝え始めた」。サウロは、ヘブル語聖書を用いてイエスは神の子であることを論証することができた。ここで起こっていることは、組織神学の変更ではなく、組織神学の完成である。「イエスは神の子である」という真理は、パズルの最後のピースであった。
サウロのメッセージを聞いた人たちは、仰天した。「この人はエルサレムで、この御名を呼ぶ者たちを滅ぼした者ではありませんか。ここへやって来たのも、彼らを縛って、祭司長たちのところへ引いて行くためではないのですか」。サウロは、イエスを信じる者たちを縛り上げるためにダマスコに来た。その者が、今やイエスを宣べ伝える者になった。人々が驚いたのは、当然のことである。

サウロの神学的土台

再度言うが、サウロの内に起こったことは、組織神学の再構築ではなく完成である。(1)彼は、イエス・キリストの福音の内容を何度も聞いて、すでに知っていた。彼は、逮捕した「この道の者」たちの証言を聞いていたはずである。また、ステパノの弁明も聞いていた。そこには、イエス・キリストの福音が含まれていた。(2)しかし、復活のイエスに出会うまでは、それらの知識が彼の内で受肉しなかったのである。(3)サウロのこれまでの学びは、イエスが神の子であるという真理によって完成した。サウロは、時間をかけて福音の真理を発見したのではない。彼の神学は、回心した直後からほとんど完成していた。彼は、ヘブル語聖書を用いてイエスは神の子であることを論証することができた。
サウロは、ステパノが落としたバトンを拾って走り始めたのである。現代に生きる私たちの使命は、使徒たちが伝えてくれたイエス・キリストの福音を忠実に隣人に伝えることである。

きょうの祈り

天の父なる神さま。イエスこそ真理です。どうか、私を福音の伝達者として用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ホセア書12~14、テサロニケ人への手紙 第一2