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使徒の働き8:26 ~ 28

26 ところが、主の使いがピリポに向かってこう言った。「立って南へ行き、エルサレムからガザに下る道に出なさい。」(このガザは今、荒れ果てている。)

27 そこで、彼は立って出かけた。すると、そこに、エチオピヤ人の女王カンダケの高官で、女王の財産全部を管理していた宦官かんがんのエチオピヤ人がいた。彼は礼拝のためエルサレムに上り、

28 いま帰る途中であった。彼は馬車に乗って、預言者イザヤの書を読んでいた。

エチオピア人の宦官の救い(2)

天使による導き

「すると、そこに、エチオピヤ人の女王カンダケの高官で、女王の財産全部を管理していた宦官のエチオピヤ人がいた」。(1)ピリポは、同じ方角に向って旅をするエチオピア人の高官を見つけた。ピリポが見たのはキャラバン隊であり、その真ん中を、高官が乗る馬車が動いていた。(2)ここでのエチオピアとは、現代のエチオピアではない。聖書時代のエチオピアは、エジプトの南部とスーダンを含む地域(ヌビア)である。エチオピアでは、王はあまりにも神聖な存在(王は太陽神の息子)なので、国の統治はすべて女王に委ねられた。カンダケとは、王母のタイトルである(エジプトのパロと同じ)。この宦官は、女王の財産全部を管理していた。(3)この高官は、宦官であった。ちなみに、申命記23:1 は、宦官が【主】の集会に加わることを禁じているが、イザヤ56:3 ~ 5 は、千年王国で宦官に与えられる祝福を預言している。
「彼は礼拝のためエルサレムに上り、いま帰る途中であった。彼は馬車に乗って、預言者イザヤの書を読んでいた」。(1)当時、ユダヤ教に傾倒けいとうする異邦人には、3 種類の人々がいた。神を恐れる(敬う)異邦人。これは、ユダヤ教の神を礼拝する異邦人である。ユダヤ教の戒律かいりつは実行していない。門の改宗者(proselyte of the gate)。これは、ユダヤ教の戒律を一部実行する異邦人である。ただし、割礼は行わない。改宗者。これは、ユダヤ教に改宗した異邦人である。ルカは、この高官がどのレベルの異邦人であるかは述べていないが、恐らく、であろう。(2)エチオピア人の高官は、最初に救われた異邦人ではない。異邦人信者の第一号は、百人隊長のコルネリオである。またこの高官は、最初に救われた改宗者でもない。使徒6:5 に「アンテオケの改宗者ニコラオ」が登場するが、彼の方がこの高官よりも先に救われている。(3)この高官は、礼拝のためにエルサレムに上り、いま帰る途中であった。3 つの巡礼祭があるが、恐らく、過越の祭りのためにエルサレムに上ったのであろう。(4)彼は、馬車に乗ってイザヤ書の巻物を読んでいた。この巻物は、エルサレムに上った記念に買ったのであろう。そして、彼が声に出して読んでいたのは、ギリシア語訳のイザヤ書であった。
神は、真理を求める人に、何らかの方法で使者を送ってくださる。神の計画は完全である。きょうも神の導きに従って歩もうではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたのご計画は完全です。どうか、きょうも真理へと導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エゼキエル書40~41、ピリピ人への手紙2

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