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使徒の働き8:14 ~ 17

14 さて、エルサレムにいる使徒たちは、サマリヤの人々が神のことばを受け入れたと聞いて、ペテロとヨハネを彼らのところへつかわした。

15 ふたりは下って行って、人々が聖霊を受けるように祈った。

16 彼らは主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけで、聖霊がまだだれにも下っておられなかったからである。

17 ふたりが彼らの上に手を置くと、彼らは聖霊を受けた。

サマリヤ人伝道(5)

ペテロとヨハネの訪問

「さて、エルサレムにいる使徒たちは、サマリヤの人々が神のことばを受け入れたと聞いて、ペテロとヨハネを彼らのところへ遣わした」。(1)ピリポは、エルサレムにいる使徒たちに助けを求めた。ピリポは、エルサレムの信者を説得するのは容易ではないと感じていた。そこで、使徒たちを招き、調査を依頼したのである。(2)エルサレム教会は、ペテロとヨハネを派遣した。ものごとを決するためには、2 人か3 人の証人の証言が必要である(申1915 の原則)。(3)ヨハネが派遣されたのは、皮肉なことである。かつて彼は、サマリヤ人に対して暴言を吐いたことがある(ルカ9:54)。そのヨハネが今、サマリヤ人を兄弟として受け入れようとしている。ちなみに、使徒の働きの中で、ヨハネの名前が出て来るのはこれが最後である。
「ふたりは下って行って、人々が聖霊を受けるように祈った。・・・」。(1)ペンテコステの日のような聖霊の傾注けいちゅうが、サマリヤ人の上にはまだ起こっていなかった。(2)「彼らは主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけで、」とある。「父、子、聖霊の御名によって」(マタ2819)と「主イエスの御名によって」は同じ意味である。ルカは、洗礼の式文を紹介しているのではなく、実質を表現している。英語では、「baptized into the name of the Lord Jesus.」(ASV)である。洗礼は、三位一体の神との一体化、主イエスとの一体化の外的表現である。(3)「聖霊がまだだれにも下っておられなかったからである」とある。聖霊の種々の働きは、信じると同時に起こる。種々の働きとは、聖霊によるバプテスマ、聖霊の内住、聖霊の証印などである。ここでは、信じることと聖霊の働きが起こることの間に、時間差がある。これは、極めて変則的な事例である。時間差がある理由は、これがサマリヤ人の救いに関する出来事だからである。
「ふたりが彼らの上に手を置くと、彼らは聖霊を受けた」。(1)ペテロとヨハネの按手により、サマリヤ人たちは聖霊を受けた。ルカは、どういう現象が起こったのかを明確に記していないが、ペンテコステの日と同じようなこと(異言の祈り)が起こったと推測される。魔術師シモンの反応は、そのことを示している。こうして神は、サマリヤ人の救いを保証された。つまり、ピリポの働きの正当性が証明されたのである。
歴史上起こったことを普遍化してはならない。今の時代においては、信じた瞬間に聖霊の種々の働きが起こっている。

きょうの祈り

天の父なる神さま。聖霊が与えられていることを感謝します。きょうも聖霊によって導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エゼキエル書32~33、エペソ人への手紙6