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使徒の働き6:13 ~ 15

13 そして、いつわりの証人たちを立てて、こう言わせた。「この人は、この聖なる所と律法とに逆らうことばを語るのをやめません。

14 『 あのナザレ人イエスはこの聖なる所をこわし、モーセが私たちに伝えた慣例を変えてしまう』と彼が言うのを、私たちは聞きました。」

15 議会で席に着いていた人々はみな、ステパノに目を注いだ。すると彼の顔は御使みつかいの顔のように見えた。

ステパノを訴える偽証人たち

冒涜罪

「そして、偽りの証人たちを立てて、こう言わせた。『この人は、この聖なる所と律法とに逆らうことばを語るのをやめません』」。(1)これまでに使徒たちが語って来た死者の復活のメッセージは、サドカイ派を激怒させた。それに対して、律法は無効になったというステパノのメッセージは、パリサイ派を激怒させた。(2)ステパノの弁明は、ヘブル人への手紙の論旨ろんしと似たものである。メシアの死と復活により、モーセの律法は無効になり、新しい契約の時代に入った。御子イエスは、ユダヤ教のあらゆる人物や制度よりも優位に立つ。これは、モーセや神殿に逆らうものではなく、みことばの正しい解釈である。(3)偽証人たちは、ステパノがユダヤ教の4 つの土台(神、モーセ、トーラー、神殿)を攻撃しているという理由で、彼を糾弾きゅうだんした。モーセに対する冒涜(11 節)と神に対する冒涜(11 節)は、すべてのユダヤ人を激怒させた。神殿に対する攻撃(1314 節)は、特にサドカイ人を、律法(トーラー)に対する攻撃(1314 節)は、特にパリサイ人を激怒させた。(4)当時のユダヤ人社会には、政教分離という概念がなく、ユダヤ教はそのまま政治であり文化であった。それゆえ、ユダヤ教を否定するステパノは、愛国心に欠けると見なされた。

神殿崩壊

「『あのナザレ人イエスはこの聖なる所をこわし、モーセが私たちに伝えた慣例を変えてしまう』と彼が言うのを、私たちは聞きました」。(1)イエス自身が、ご自身は神殿よりも偉大だと語っておられた(マタ12:6)。(2)またイエスは、神殿の崩壊を預言しておられた(ルカ21:6)。恐らくステパノは、神殿の崩壊についても語ったことであろう。(3)イエスの裁判では、イエスのことばが文脈を無視して引用された(マコ1458)。それと同じことが、ステパノにも起こっているのである。
「議会で席に着いていた人々はみな、ステパノに目を注いだ。すると彼の顔は御使いの顔のように見えた」。(1)全員出席していたとするなら、71 人の議員がいたことになる。彼らはステパノを見つめ、どういう弁明がなされるか、待った。(2)ステパノの顔は、御使いの顔のように見えた。シナイ山で、モーセの顔は、神との出会いを反映させてかがやいた(出342935)。それと同じことが、ステパノに起こっている。激しい糾弾の中でも、彼の目は天に向けられていた。これは、私たちへの教訓でもある。

きょうの祈り

天の父なる神さま。いかなる攻撃の中でも、真理を語り続けることができるよう、力と勇気とを与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エレミヤ書46~47、詩篇65~66

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