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使徒の働き4:5 ~ 7

5 翌日、民の指導者、長老、学者たちは、エルサレムに集まった。

6 大祭司アンナス、カヤパ、ヨハネ、アレキサンデル、そのほか大祭司の一族もみな出席した。

7 彼らは使徒たちを真ん中に立たせて、「あなたがたは何の権威によって、また、だれの名によってこんなことをしたのか」と尋問じんもんしだした。

裁判

サンヘドリンでの裁判

「翌日、民の指導者、長老、学者たちは、エルサレムに集まった」。(1)使徒の働きには、サンヘドリンでの裁判が4 回出て来る。ここではペテロとヨハネが裁かれている。使徒5:27 では、使徒たち全員が裁かれている。使徒6:12 では、ステパノが裁かれている。使徒2230 では、パウロが裁かれている。(2)サンヘドリンは、バビロン捕囚からの帰還後に設立されたイスラエルの最高裁であり、国会である。議員数は、大祭司を含めて71 名であった。(3)当時、サンヘドリンの権威はローマ帝国とヘロデ王朝の王の支配下に置かれていた(ローマ帝国は、サンヘドリンに大きな権威を認めていた。ただし、死刑宣告は認められていなかった。唯一の例外は、異邦人がへだての中垣なかがきを超えて婦人の庭に侵入した場合である)。(4)サンヘドリンを構成する3 組の人たちが上げられている。民の指導者たち:24 人の祭司長たち。長老たち:パリサイ派の重鎮たち。学者たち:口伝律法の専門家たち(パリサイ人とサドカイ人)。彼らは、イエスの教えに強く反発した。(5)開廷のためには、最低23 名の議員の出席が必要とされた。この裁判でも、71 名全員が出席したと考える必要はない。

何の権威によって

「大祭司アンナス、カヤパ、ヨハネ、アレキサンデル、そのほか大祭司の一族もみな出席した」。(1)大祭司がイスラエルで最も大きな権威を有していた。この年の大祭司はカヤパであったが、黒幕はアンナスである(イエスの予備審問は、アンナスが行った)。アンナスは、前6 年~紀元15 年まで大祭司であった(21 年間)。しかし、職を離れてからも、約50 年間にわたって権威を振るった。彼の5 人の息子たち、1 人の孫、1 人の義理の息子が大祭司になった。パリサイ人たちは、神殿での商売を「アンナスの息子たちのバザール」と呼んでいた。(2)ヨハネとアレキサンデルという名が出ているが、彼らについては、ここ以外に情報がない。(3)そのほか大祭司の一族もみな出席した。
「彼らは使徒たちを真ん中に立たせて、『あなたがたは何の権威によって、また、だれの名によってこんなことをしたのか』と尋問しだした」。(1)この言葉をもって裁判が始まった。ペテロとヨハネの行為は、権威への挑戦である。つまり、サンヘドリンへの挑戦である。(2)ペテロは、この裁判によって、ユダヤ教の指導者たちに語りかける機会を初めて得た。試練の中にも神の計画があることを覚えよう。

きょうの祈り

全知全能の神よ。あなたのご計画が挫折することはありません。試練の中で私を強めてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書62~63、コリント人への手紙 第一9