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使徒の働き3:12 ~ 16

12 ペテロはこれを見て、人々に向かってこう言った。「イスラエル人たち。なぜこのことに驚いているのですか。なぜ、私たちが自分の力とか信仰深さとかによって彼を歩かせたかのように、私たちを見つめるのですか。

13 アブラハム、イサク、ヤコブの神、すなわち、私たちの父祖たちの神は、そのしもべイエスに栄光をお与えになりました。あなたがたは、この方を引き渡し、ピラトが釈放しゃくほうすると決めたのに、その面前でこの方を拒みました。

14 そのうえ、このきよい、正しい方を拒んで、人殺しの男を赦免しゃめんするように要求し、

15 いのちの君を殺しました。しかし、神はこのイエスを死者の中からよみがえらせました。私たちはそのことの証人です。

16 そして、このイエスの御名が、その御名を信じる信仰のゆえに、あなたがたがいま見ており知っているこの人を強くしたのです。イエスによって与えられる信仰が、この人を皆さんの目の前で完全なからだにしたのです。

ペテロの第2 のメッセージ(2)

罪の糾弾(13b ~ 15 節a)

「あなたがたは、この方を引き渡し、ピラトが釈放すると決めたのに、その面前でこの方を拒みました」。ここから、ユダヤ人の罪の糾弾が始まる。罪とは、イエスを拒否したことである。ピラトはイエスを釈放すると決めていたのに、ユダヤ人たちはイエスを拒んだ。
「そのうえ、このきよい、正しい方を拒んで、人殺しの男を赦免するように要求し、いのちの君を殺しました」。この聖句には、3 つの重要なキーワードが含まれている。(1)「きよい方」(the Holy One)という言葉は、ダビデの預言(詩1610)から出たもので、ユダヤ教の文献では神を指す言葉である。「きよい方」は、キリストの神性を示している。(2)「正しい方」(the Righteous One)は、イザヤの預言(イザ5311)から出た言葉で、キリストの罪なき人性を示している。(3)「いのちの君」は、イエスがいのちの創造主であることを示している。イエスはいのちのみなもとであり、私たちに永遠のいのちを与えてくださる。(4)祭りが終わっているので、聴衆はほとんどがエルサレムの住民である。彼らもまた、イエスを拒み、バラバを赦免するように要求した。ユダヤ人たちは、人殺しを助け、いのちを与えてくださる方を殺した。ここには、大いなるアイロニー(皮肉ひにく)がある。

信仰の力(15b ~ 16 節)

「しかし、神はこのイエスを死者の中からよみがえらせました。私たちはそのことの証人です」。神の計画は、人間の想像を超えたものである。神は、イエスを死者の中から復活させた。ペテロとヨハネは、そのことの証人である。
「そして、このイエスの御名が、その御名を信じる信仰のゆえに、あなたがたがいま見ており知っているこの人を強くしたのです。イエスによって与えられる信仰が、この人を皆さんの目の前で完全なからだにしたのです」。(1)聴衆は、その日、復活のイエスの力の証人となった。この男がいやされたのは、復活のイエスの力による。(2)「その御名を信じる信仰のゆえに」。この男は、イエスの御名を信じたのである。つまり、イエスがメシアであることを信じたのである。その信仰によって、彼は癒された。
この男は、回心した。回心とは、本来の姿に戻ることである。ユダヤ人にとっては、イエスをメシアとして信じることであり、異邦人にとっては、イエス・キリストを通して父なる神に立ち返ることである。復活し、今も生きておられるイエス・キリストに全面的な信頼を申し上げよう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。主イエスの死と復活によって、あなたとの平和が与えられていることを感謝します。きょうも信仰によって歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書52~53、コリント人への手紙 第一6