14そこで、ペテロは十一人とともに立って、声を張り上げ、人々にはっきりとこう言った。「ユダヤの人々、ならびにエルサレムに住むすべての人々。あなたがたに知っていただきたいことがあります。どうか、私のことばに耳を貸してください。
15今は朝の九時ですから、あなたがたの思っているようにこの人たちは酔っているのではありません。
16これは、預言者ヨエルによって語られた事です。
17『神は言われる。終わりの日に、わたしの霊をすべての人に注ぐ。すると、あなたがたの息子や娘は預言し、青年は幻を見、老人は夢を見る。
18その日、わたしのしもべにも、はしためにも、わたしの霊を注ぐ。すると、彼らは預言する。
19また、わたしは、上は天に不思議なわざを示し、下は地にしるしを示す。それは、血と火と立ち上る煙である。
20主の大いなる輝かしい日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。
21しかし、主の名を呼ぶ者は、みな救われる。』
ここからペテロのメッセージが始まる。ここでペテロは、ユダヤ人のために天の御国の扉を開こうとしている(マタ16:19にある主イエスの約束の成就)。「わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています」
ペテロのメッセージのアウトラインは、次のようになっている。①この出来事は、預言の成就である(15~21節)。②イエスは、メシアである(22~32節)。③昇天したメシアであるイエスは、聖霊を注がれた(33~36節)。④適用(37~40節)。この流れに従って、ペテロのメッセージを見てみよう。
「そこで、ペテロは十一人とともに立って、声を張り上げ、人々にはっきりとこう言った。『ユダヤの人々、ならびにエルサレムに住むすべての人々。あなたがたに知っていただきたいことがあります。どうか、私のことばに耳を貸してください』」。(1)ここでは12使徒がともに立ち、ペテロが12使徒のスポークスマンとして語っている。マッテヤもそこに含まれているということである。(2)聴衆は、ユダヤ人である。「ユダヤの人々」とは、ユダヤに住む人々である。「エルサレムに住むすべての人々」とは、ディアスポラの地からの巡礼者たちである。(3)「どうか、私のことばに耳を貸してください」。人々は、異言についての説明を聞きたがっている。そのため、ペテロはこの呼びかけによって、聴衆の心を掴むことが出来たのである。
「今は朝の九時ですから、あなたがたの思っているようにこの人たちは酔っているのではありません」。(1)「この人たち」とは、12使徒のことである。「この人たち」が酔っている可能性は、全くない。当時のユダヤ人の習慣では、ぶどう酒を飲むのは夕刻である。朝の9時は、日に3度ある祈りと犠牲を捧げる時間の最初である。さらに、祭りの期間、信仰熱心なユダヤ人たちは午前10時までは飲食を控えた。(2)次にペテロは、「これは、預言者ヨエルによって語られた事です」と言い、異言という現象をヨエルの預言の成就という視点から説明する。イエスを3度も拒んだ臆病なペテロではなく、勇敢なペテロがメッセージを語っていることに注目しよう。聖霊が下って以降の彼は、別人のようである。私たちもまた、内住の聖霊によって知恵と力を受けることが出来る。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私もペテロのように、知恵と力をもって福音を宣べ伝えることができるよう聖霊で満たしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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イザヤ書26~27、ローマ人への手紙13
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