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サムエル記第一19:11~17

11 サウルはダビデの家に使者たちを遣わし、彼を見張らせ、朝になって彼を殺そうとした。ダビデの妻ミカルはダビデに告げて言った。「今夜、あなたのいのちを救わなければ、あすは、あなたは殺されてしまいます。」

12 こうしてミカルはダビデを窓から降ろしたので、彼は逃げて行き、難をのがれた。

13 ミカルはテラフィムを取って、それを寝床の上に置き、やぎの毛で編んだものを枕のところに置き、それを着物でおおった。

14 サウルがダビデを捕らえようと使者たちを遣わしたとき、ミカルは、「あの人は病気です」と言った。

15 サウルはダビデを見ようとして、「あれを寝床のまま、私のところに連れて来い。あれを殺すのだ」と言って使者たちを遣わした。

16 使者たちが入って見ると、なんと、テラフィムが寝床にあり、やぎの毛で編んだものが枕のところにあった。

17 サウルはミカルに言った。「なぜ、このようにして私を欺き、私の敵を逃がし、のがれさせたのか。」ミカルはサウルに言った。「あの人は、『私を逃がしてくれ。私がどうしておまえを殺せよう』と私に言ったのです。」

刺客による殺害

ミカルの策略

次にサウルが考え出したのは、刺客を送ることでした。刺客は、ダビデを見張り、朝になってから彼を殺すように命じられました。暗いうちに襲うと、別人を殺害したり、逃げられたりする恐れがあるからです。当時サウルの娘ミカルは、ダビデの妻となっていました。そのミカルが、動き出します。
(1)彼女は、家に逃げ帰ったダビデに、すぐに逃れるように忠告します。恐らく、宮廷の誰かか、兄のヨナタンから、父サウルがダビデを暗殺するために刺客を送ったことを知らされたのでしょう。(2)彼女はダビデを窓からつり降ろし、避難させました。これは、ヨシュア記でエリコの遊女ラハブがイスラエル人のスパイを逃がしたのと同じ方法です。(3)次に彼女は、テラフィムと山羊の毛で編んだものとを用いて、病気のダビデがそこで寝ているかのような状況を作り出します。テラフィムというのは、家の守り神、つまり偶像です。これは、ミカルが所有していたもので、もしダビデがそれを知っていたなら、家に置くことは許さなかったようなものです。サウルの家は、完全には偶像礼拝から解放されていなかったことがわかります。

ミカルの弁解

ミカルはダビデのために時間稼ぎをしたのですが、最後は刺客を欺いたことがばれてしまいます。父サウルから、なぜ父である自分を欺き、敵を逃がしたのかと追求されると、ミカルはこう答えました。「あの人は、『私を逃がしてくれ。私がどうしておまえを殺せよう』と私に言ったのです」。つまり、ダビデは恐怖のあまり、自分を殺そうとした。自分は脅迫されたので、こうするしかなかったのだ、ということです。
ヨナタンとミカルの違いに注目しましょう。ヨナタンは正々堂々と、ダビデが正しいことを父に進言しました。しかしミカルは、自分を守るためにダビデを悪者に仕立てています。ダビデを救ったことは良いことですが、その後彼女は、ダビデの人格を汚すようなことをしています。私たちにも、このような弱点があるのではないでしょうか。あなたは、自分がクリスチャンであることを、どのような時にも大胆に告白していますか。保身のために真実を曲げるのは、恥ずべきことです。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。どうか全身全霊を込めて、私を愛してくださった主イエスを証することができますように、私を力づけてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

士師記17~18、ルカの福音書17