ヨナタンのとりなし

次にサウルは、家来を使ってダビデを暗殺しようとします。彼はその計画を、息子ヨナタンや家来の全部に告げます。この時点では、サウルはヨナタンとダビデとが友情契約を結んでいることを知らなかったのです。（1）ヨナタンはダビデにその旨を告げ、安全な場所に身を隠すように忠告します。（2）さらにヨナタンは、父サウルに対してダビデを弁護する言葉を語ります。これまでダビデがサウルのためにどれほど尽くしてきたか、それがイスラエルにとって、またサウルにとって、どれほどの益をもたらしたかを、熱心に語ります。（3）そして、もしそのダビデを殺すなら、それは罪のない者の血を流すことであり、大罪を犯すことになると、父を説得します。（4）サウルはヨナタンの理を尽くした説得に心動かされ、「主は生きておられる。あれは殺されることはない」と答えます。これは、主の名によって誓約をしたということです。
ヨナタンのとりなしに注目しましょう。彼は愛するダビデのために、父の前でとりなしをしました。この姿は、大祭司である主イエスを彷彿ほうふつとさせます。主イエスは日々私たちのために、とりなしをしていてくださいます。「罪に定めようとするのはだれですか。死んでくださった方、いや、よみがえられた方であるキリスト・イエスが、神の右の座に着き、私たちのためにとりなしていてくださるのです」（ローマ8：34）とあるとおりです。あなたは落胆していませんでしたか。今、あなたのためにとりなしをしておられる生けるキリストを見上げましょう。

槍の攻撃（2回目）

しかし、ダビデがペリシテ人との戦いに勝利すると、サウルは再び嫉妬の炎を燃え上がらせます。そこにつけ入ってきたのが悪い霊です。サウル自身が悪霊を招き入れ、再びダビデに対して殺意を抱くようになったのです。サウルは槍でダビデを壁に突き刺そうとしていますが、それはサウルが最初に用いた方法でした。彼は自分が主の名によって立てた誓いを忘れ、元の哀れな姿に戻っています。
主に喜ばれない思いを抱くことは、悪霊につけ込まれる隙すきを与えることです。そうならないように、目を覚まして祈りましょう。