17 あるとき、サウルはダビデに言った。「これは、私の上の娘メラブだ。これをあなたの妻として与えよう。ただ、私のために勇敢にふるまい、【主】の戦いを戦ってくれ。」サウルは、自分の手を下さないで、ペリシテ人の手を彼に下そう、と思ったのである。
18 ダビデはサウルに言った。「私は何者なのでしょう。私の家族、私の父の氏族もイスラエルでは何者なのでしょう。私が王の婿になるなどとは。」
19 ところが、サウルの娘メラブをダビデに与える、という時になって、彼女はメホラ人のアデリエルに妻として与えられた。
サウルは槍でダビデを殺そうとしましたが、それは失敗に終わりました。次に彼が考えたのは、ペリシテ人の手によってダビデを殺すという方法です(ちなみに、前線に出して敵の手によって殺すという方法は、後になってダビデがバテ・シェバの夫ウリヤを殺害するために採用した方法でもあります)。
(1)サウルはダビデに、ペリシテ人との戦いで勇敢に戦ってくれるなら、自分の娘のメラブを与えると約束します。この約束は、すでに実行されていなければならないものです。サウルは、ゴリヤテを殺した者には自分の娘を与えると約束していたからです。しかしサウルはここで、新たな条件を付け加えています。(2)恐らくダビデは、サウルの策略に気づいていたのでしょうが、非常に謙虚な態度で王の申し出を受け入れています。(3)ダビデは約束を実行し、メラブを妻に迎える権利を獲得しますが、この時もまたサウルは約束を破ります。彼はメラブをメホラ人のアデリエルという男に与えたのです。(4)これはダビデにとっては、大いなる侮辱となりました。サウルの公約は、民にもよく知られたものでしたので、サウルはその不誠実のゆえに民からの不評をかったことでしょう。
かつてサウルは、自分が立てた誓いを破ったという理由で、息子のヨナタンを殺そうとしたことがありました(14:24以下)。それほどに、サウルは誓いに関しては厳格な面を持っていたのです。しかし、きょうの箇所では、彼はいとも容易に自分の公約を破り、ダビデをはずかしめています。他人にはきびしく、自分には甘くというのが、サウルの本質です。またこれは、人間一般が持つ弱点でもあります。
人にではなく、神にのみ信頼を置いて歩んでいる人は幸いです。ダビデもまたそのような信仰者のひとりでした。それゆえ、いかなる侮辱や失望にも耐えることができたのです。「まことに、主のことばは正しく、そのわざはことごとく真実である」(詩篇33:4)。きょうも、ご自身の約束を決して破ることのない真実なる神に信頼を置いて歩みましょう。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたは真実なお方です。あなたの約束は、決して破棄されることがありません。きょうも、あなたにお従いします。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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