1 サムエルは、年老いたとき、息子たちをイスラエルのさばきつかさとした。
2 長男の名はヨエル、次男の名はアビヤである。彼らはベエル・シェバで、さばきつかさであった。
3 この息子たちは父の道に歩まず、利得を追い求め、わいろを取り、さばきを曲げていた。
4 そこでイスラエルの長老たちはみな集まり、ラマのサムエルのところに来て、
5 彼に言った。「今や、あなたはお年を召され、あなたのご子息たちは、あなたの道を歩みません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」
6 彼らが、「私たちをさばく王を与えてください」と言ったとき、そのことばはサムエルの気に入らなかった。そこでサムエルは【主】に祈った。
7 【主】はサムエルに仰せられた。「この民があなたに言うとおりに、民の声を聞き入れよ。それはあなたを退けたのではなく、彼らを治めているこのわたしを退けたのであるから。
8 わたしが彼らをエジプトから連れ上った日から今日に至るまで、彼らのした事といえば、わたしを捨てて、ほかの神々に仕えたことだった。そのように彼らは、あなたにもしているのだ。
9 今、彼らの声を聞け。ただし、彼らにきびしく警告し、彼らを治める王の権利を彼らに知らせよ。」
サムエルは当時65~70歳になっていました。老齢者が後進に道を譲るのは悪いことではありません。彼はふたりの息子たちを士師に任命し、ベエル・シェバに派遣しました。南部地方は息子たちに任せ、自分は北部地方だけに責任を持てばよい体制を作ったのです。(1)長男の名はヨエル(「主は神である」という意味)、次男の名はアビヤ(「主は私の父」という意味)でした。(2)彼らは素晴らしい名を持っていましたが、その行動はその名に恥じるようなものでした。父サムエルとは異なり、わいろを取って裁きを曲げていたのです。(3)これは、モーセの律法違反でした(出エジプト記23:8参照)。
サムエルもまた彼の師であったエリと同じ過ちを犯しています。息子の養育に失敗したのです。
そこで、イスラエル12部族の長老たちがサムエルのもとに集まり、王を与えて欲しいと要求します。その理由が三つありました。(1)サムエルは老齢になり、その息子たちは道を外している。これでは、信頼できる指導者がいなくなる。(2)他国の人々はみな、王を持っている。自分たちも他国の人々のようになりたい。(3)自分たちには、軍事的リーダーが必要である。
サムエルはこれを不愉快に感じました。そして主に祈ると、答がありました。その内容は、次の四つに要約することができます。(1)民の言うとおりにせよ。(2)彼らの要求は、サムエルを退けたというよりは、神ご自身を退けたというものである。(3)これは新しいことではなく、この民の歴史上いつも起こってきたことである。(4)民を治める王の権利を民に知らせよ。
当時、イスラエルの政治形態は神政政治でした。神が王で、神は預言者や士師を通して民に語りかけていたのです。しかし民は、それよりも人間の王に信頼を置く政治形態を求めました。民の罪とは、間違ったところに信頼を置いたことにあります。あなたは神を信頼して歩んでいますか。あなたの日々の判断や決断は、神に栄光を帰すものとなっていますか。イスラエルの民の失敗から教訓を学びましょう。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。あなたに信頼しないことが問題の根本原因です。どうか、あなただけをあがめて歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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