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サムエル記第一4:5~11

5 【主】の契約の箱が陣営に着いたとき、全イスラエルは大歓声をあげた。それで地はどよめいた。

6 ペリシテ人は、その歓声を聞いて、「ヘブル人の陣営の、あの大歓声は何だろう」と言った。そして、【主】の箱が陣営に着いたと知ったとき、

7 ペリシテ人は、「神が陣営に来た」と言って、恐れた。そして言った。「ああ、困ったことだ。今まで、こんなことはなかった。

8 ああ、困ったことだ。だれがこの力ある神々の手から、われわれを救い出してくれよう。これらの神々は、荒野で、ありとあらゆる災害をもってエジプトを打った神々だ。

9 さあ、ペリシテ人よ。奮い立て。男らしくふるまえ。さもないと、ヘブル人がおまえたちに仕えたように、おまえたちがヘブル人に仕えるようになる。男らしくふるまって戦え。」

10 こうしてペリシテ人は戦ったので、イスラエルは打ち負かされ、おのおの自分たちの天幕に逃げた。そのとき、非常に激しい疫病が起こり、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。

11 神の箱は奪われ、エリのふたりの息子、ホフニとピネハスは死んだ。

さらなる敗北

神の箱(契約の箱)の到着

神の箱がイスラエルの陣営に到着したとき、全イスラエルは歓声を上げてそれを迎えました。その歓声で地はどよめきました。イスラエルの陣営は山地にあり、ペリシテの陣営は低地にありました。山地でのどよめきがこだまし、低地にまで伝わったのです。
その歓声を聞いて、ペリシテ人たちは動揺しました。神の箱が陣営に到着したことを知ると、彼らは恐れました。(1)今までイスラエルに対して勝利してきたのは、人間同士の戦いだったからです。しかし、これからはイスラエルの神との戦いになります。(2)彼らは、イスラエルの神が300年前(出エジプトの時)に10の災害をもってエジプトを討ったことを記憶していました。彼らの理解は異教的なものでしたが、それでも、イスラエルの神が力ある神であることを知っていて、恐れたのです。(3)ペリシテ人のリーダーたちは、死に物狂いで戦う以外に道はないことを民に語り、叱咤激励しったげきれいしました。

奪われた神の箱

この戦いの結末を見てみましょう。(1)ペリシテ人はイスラエル人を打ち負かしました。(2)この戦いで、イスラエルの歩兵3万人が倒れました。前回は4,000人の戦死者でしたから、それよりもはるかに多くの犠牲者を出したことになります。(3)神の箱は奪われました。当時は、戦争は神々の戦いと思われていました。つまり、天においてイスラエルの神とペリシテ人の神々との戦いが行なわれているという理解です。ペリシテ人が勝ったということは、ペリシテ人の神々のほうがイスラエルの神よりも強かったということです。(4)当時は、勝利したほうが戦勝記念として敵の偶像を持ち帰っていました。イスラエルの場合は偶像がないので、それに代わるものとして神の箱が奪われていきました。(5)エリのふたりの息子、ホフニとピネハスは、預言どおりに死に絶えました。
神の箱が奪われても、イスラエルの神が捕虜になったわけではありません。主は諸国の神々にまさって大いなるお方です。ペリシテ人にもそのことを知らしめる時がきます。私たちも、神の忍耐を神の弱さと取り違えてはなりません。今、全知全能の神の前に恐れおののきつつ礼拝を捧げましょう。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。あなたは諸国のどんな神々にもまさって大いなるお方です。どうかこの国にも、あなたの栄光を輝かせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記14~15、マタイの福音書1