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サムエル記第一1:12~20

12 ハンナが【主】の前で長く祈っている間、エリはその口もとを見守っていた。

13 ハンナは心のうちで祈っていたので、くちびるが動くだけで、その声は聞こえなかった。それでエリは彼女が酔っているのではないかと思った。

14 エリは彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい。」

15 ハンナは答えて言った。「いいえ、祭司さま。私は心に悩みのある女でございます。ぶどう酒も、お酒も飲んではおりません。私は【主】の前に、私の心を注ぎ出していたのです。

16 このはしためを、よこしまな女と思わないでください。私はつのる憂いといらだちのため、今まで祈っていたのです。」

17 エリは答えて言った。「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように。」

18 彼女は、「はしためが、あなたのご好意にあずかることができますように」と言った。それからこの女は帰って食事をした。彼女の顔は、もはや以前のようではなかった。

19 翌朝早く、彼らは【主】の前で礼拝をし、ラマにある自分たちの家へ帰って行った。エルカナは自分の妻ハンナを知った。【主】は彼女を心に留められた。

20 日が改まって、ハンナはみごもり、男の子を産んだ。そして「私がこの子を【主】に願ったから」と言って、その名をサムエルと呼んだ。

聞かれた祈り

エリの誤解

ハンナは主の前で熱心に祈りましたが、言葉に出さずに心の中だけで祈っていたために、口元が動いていました。祭司のエリはそれを見て、彼女がぶどう酒に酔っているのだと誤解しました。そして、「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい」と叱責します。(1)これによって、当時のイスラエル人たちの霊的状態が伺えます。多くの者たちが、主の宮に上るという機会を、酔っ払うための場としていたようです。エリが誤解したのも当然だったのでしょう。(2)エリはハンナの答を聞いて、率直に自分の過ちを認め、彼女を祝福しています。人は上の地位に就けば就くほど、自分の過ちを認め難くなります。エリの姿勢には学ぶものがあります。
ハンナは心に悩みのある女でしたが、エリの「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように」という言葉を信じて、帰路に着きました。彼女は食欲を回復し、その表情も以前のような悲しみに満ちたものではなくなりました。エリの言葉は、祈りでしょうか、預言でしょうか、あるいは、英語の「ゴッド・ブレス・ユー」のような単なるあいさつの言葉だったのでしょうか。単なるあいさつの言葉であった可能性が大ですが、ここで重要なのは、ハンナがそれを信仰によって受け取っているということです。「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです」(ヘブル11:6)。アーメン。

男の子の誕生

やがてハンナはみごもり、男の子を産みます。彼女はその子に、「サムエル」という名をつけました。当時は、父親が命名することもあれば、母親が命名することもあったのです。「サムエル」とは、「神が聞いてくださった」という意味です。ハンナは自分の祈りが聞かれたことをいつまでも覚えておくために、息子に「サムエル」という名をつけたのです。
あなたの人生で、主が良くしてくださったことが何かありますか。あなたはそれをどのようにして覚えていますか。今もう一度、主の恵みを思い起こして、主の御名をたたえましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたは私の人生を良きもので満たしてくださいました。きょうも、あなたの恵みの中を歩むことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

出エジプト記29~30、ヨハネの福音書14