3 この人は自分の町から毎年シロに上って、万軍の【主】を礼拝し、いけにえをささげていた。そこにはエリのふたりの息子、【主】の祭司ホフニとピネハスがいた。
4 その日になると、エルカナはいけにえをささげ、妻のペニンナ、彼女のすべての息子、娘たちに、それぞれの受ける分を与えた。
5 しかしハンナには特別の受け分を与えていた。【主】は彼女の胎を閉じておられたが、彼がハンナを愛していたからである。
6 彼女を憎むペニンナは、【主】がハンナの胎を閉じておられるというので、ハンナが気をもんでいるのに、彼女をひどくいらだたせるようにした。
7 毎年、このようにして、彼女が【主】の宮に上って行くたびに、ペニンナは彼女をいらだたせた。そのためハンナは泣いて、食事をしようともしなかった。
8 それで夫エルカナは彼女に言った。「ハンナ。なぜ、泣くのか。どうして、食べないのか。どうして、ふさいでいるのか。あなたにとって、私は十人の息子以上の者ではないのか。」
イスラエル人の男性は、年に3度、主の宮(幕屋、後には神殿)に上って、主を礼拝し、いけにえを捧げるように命じられていました。この当時、幕屋はシロにあり、そこには大祭司エリのふたりの息子、ホフニとピネハスとが仕えていました。
エルカナは非常に律法に忠実な人で、毎年シロに上り、主を礼拝し、いけにえを捧げていました。そして、そのいけにえの中から自分の取り分を受け取り、家族とともに祝いの食事をしていました。妻のペニンナ、その息子たち、そして娘たちは全員、その食事に与っていました。エルカナはハンナには2倍の量(あるいは、最良の部分)を与えていました。その理由は、不妊で苦しむ彼女を慰め、自分の愛を伝えるためでした。
ひとりの夫にふたりの妻がいると、妻同士は夫の愛を求めて対立するようになります。その場合、敬虔な妻のほうが迫害され、傷つくことが多いのです。この場合も、ペニンナは夫が自分よりもハンナを愛しているのを見て、ハンナを憎むようになります。それでなくてもハンナは子供が与えられないことで苦しんでいました。その傷に塩でもすり込むように、ペニンナはハンナをいらだたせるような言葉を口にしました。
ペニンナの陰湿ないじめは、毎年続きました。そしてついに、ハンナは悲しみのあまり、祝宴の食事さえ喉を通らなくなりました。まさに、詩篇42:3にあるとおりの状態です。「私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした」。そこで夫のエルカナは、ハンナを励ますために、「あなたにとって、私は10人の息子以上の者ではないのか」と語ります。つまり、あなたは私の愛を得ているのだから、それは10人の息子を得るよりも良い状態ではないかというのです。これは、ハンナに安心感を与えるための言葉です。エルカナは本当にハンナを愛していたのです。
私たちの心の痛みは、エルカナ以上のお方、主イエスによってのみ癒されるものです。キリストを知っていることは、すべてを得ていることなのです(ピリピ3:8)。今、私たちの魂の牧者であるキリストによりすがりましょう。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。御子キリストを知っていることは、すべてを得ていることです。キリストの栄光に与ることを、私は心から求めます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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