6 こうして、彼女は打ち場に下って行って、しゅうとめが命じたすべてのことをした。
7 ボアズは飲み食いして、気持ちがよくなると、積み重ねてある麦の端に行って寝た。それで、彼女はこっそり行って、ボアズの足のところをまくって、そこに寝た。
8 夜中になって、その人はびっくりして起き直った。なんと、ひとりの女が、自分の足のところに寝ているではないか。
9 彼は言った。「あなたはだれか。」彼女は答えた。「私はあなたのはしためルツです。あなたのおおいを広げて、このはしためをおおってください。あなたは買い戻しの権利のある親類ですから。」
10 すると、ボアズは言った。「娘さん。【主】があなたを祝福されるように。あなたのあとからの真実は、先の真実にまさっています。あなたは貧しい者でも、富む者でも、若い男たちのあとを追わなかったからです。
11 さあ、娘さん。恐れてはいけません。あなたの望むことはみな、してあげましょう。この町の人々はみな、あなたがしっかりした女であることを知っているからです。
12 ところで、確かに私は買い戻しの権利のある親類です。しかし、私よりももっと近い買い戻しの権利のある親類がおります。
13 今晩はここで過ごしなさい。朝になって、もしその人があなたに親類の役目を果たすなら、けっこうです。その人に親類の役目を果たさせなさい。しかし、もしその人があなたに親類の役目を果たすことを喜ばないなら、私があなたを買い戻します。【主】は生きておられる。とにかく、朝までおやすみなさい。」
きょうの箇所に書かれていることは、不道徳なことではありません。ルツはモーセの律法と姑の助言に従って行動しています。ボアズもまた、モーセの律法に従って、ことを最善の方向に運ぼうとしています。成熟したふたりの信仰者の会話から、教訓を学んでみましょう。
(1)ルツはボアズに対して、「私はあなたのはしためルツです。あなたのおおいを広げて、このはしためをおおってください」と願い出ています。「おおい」と訳されている言葉は、衣の「裾」のことで、直訳すると「翼」です。かつてボアズはルツに、「主があなたのしたことに報いてくださるように。また、あなたがその翼の下に避け所を求めて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように」(2:12)と語っていました。イスラエルの神の翼の下に避け所を求めて来たルツは、今やボアズが主から与えられた避け所であると信じて、その大きな翼の下に身を寄せようとしたのです。(2)今日でも、ユダヤ式結婚式では、この習慣が実行されています。新郎はタリート(祈りのショール)の裾で花嫁の頭をおおいます。これは、新郎が花嫁を受け入れ、生涯彼女を守るという決意を示す象徴的行為です。(3)彼女は夜中に自分がやって来た理由を、「あなたは買い戻しの権利のある親類ですから」と説明しています。つまり、この行為はモーセの律法に基づくものであることをアピールしたのです。
(1)ボアズはルツを淑女として扱っています。そして、彼女が誠意をもって買い戻しを要求していることを理解しています。(2)ナオミもルツも、ボアズよりももっと近い買い戻しの権利のある親類がいることを知らなかったようです。そこでボアズはそのことを明かし、すべてが公明正大に行なわれるように計画を練ります。もし優先権のある親類が買い戻しを決意すれば、ルツはその人の妻となります。ボアズはすべてを主の御手に委ねたのです。ここに、信仰者としてのボアズの姿があります。(3)ボアズはルツに優しい言葉をかけ、朝まで彼女をそこで休ませました。
その夜、打ち場にいたのは、ボアズとルツだけではありません。主もともにおられました。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。あなたのみこころだけが、私の人生でなりますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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