1 しゅうとめナオミは彼女に言った。「娘よ。あなたがしあわせになるために、身の落ち着く所を私が捜してあげなければならないのではないでしょうか。
2 ところで、あなたが若い女たちといっしょにいた所のあのボアズは、私たちの親戚ではありませんか。ちょうど今夜、あの方は打ち場で大麦をふるい分けようとしています。
3 あなたはからだを洗って、油を塗り、晴れ着をまとい、打ち場に下って行きなさい。しかし、あの方の食事が終わるまで、気づかれないようにしなさい。
4 あの方が寝るとき、その寝る所を見届けてから入って行き、その足のところをまくって、そこに寝なさい。あの方はあなたのすべきことを教えてくれましょう。」
5 ルツはしゅうとめに言った。「私におっしゃることはみないたします。」
聖書には、当時の習慣を知らないと誤解してしまうような箇所が多くあります。きょうの箇所も、誤解を呼びかねない内容となっています。そこで、当時の習慣を確認しながら、この箇所を読んでみましょう。
(1)当時、麦打ち場は畑に隣接した小高い岩地に設けられることが多かったのです。朝夕の風が吹くころ、農夫たちは打った麦を空に向かって放り投げ、実と殻とをふるいにかけました。すると、籾殻は風によって運び去られ、麦の実だけが岩地に落ちました。麦打ち場は戸外にあったため、収穫された麦が盗まれないように、雇い人か主人が寝泊りして番をする必要がありました。(2)ナオミは、その夜ボアズがそこで寝泊りすることを知っていました。それでルツに、ボアズが夕食を終えて寝込んだなら、その足元に密かに忍び込むように助言したのです。
ナオミの助言を聞いて、ルツはどういう思いになったのでしょうか。恐らく、びっくりしたことと思います。しかし、買い戻しの権利のことを聞くと、平安が戻ってきたことでしょう。(1)モーセの律法は、人が子を残さずに死んだ場合、買い戻しの権利のある者がその妻を娶り、死んだ者の名を残すようにと、命じています(申命記25:5~10)。ルツの夫マフロンは、子を残さないまま死にました。つまりルツには、ボアズに買い戻しを要求する権利があるということです。そのことを理解したルツは、「私におっしゃることはみないたします」と返事をしています。(2)彼女のこの従順が、大きな祝福を産むことになります。やがて彼女はボアズと結婚し、オベデという子を産みます。そのオベデからエッサイが生まれ、エッサイからダビデが生まれます。ダビデは、イエスの先祖となった人物です。
ルツの従順は、受胎告知を受けた時のマリヤのそれを想起させます。「本当に、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように」(ルカ1:38)。あなたは、主に用いられやすい器になっていますか。みこころがこの身になりますようにと、祈りましょう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。あなたのドラマに、ごく普通の女性たちが用いられていることを学びました。しかし彼女たちは、従順でした。どうか私にも、従順な心を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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