1 エフライムの山地の出で、その名をミカという人がいた。
2 彼は母に言った。「あなたが、銀千百枚を盗まれたとき、のろって言われたことが、私の耳に入りました。実は、私がその銀を持っています。私がそれを盗んだのです。」すると、母は言った。「【主】が私の息子を祝福されますように。」
3 彼が母にその銀千百枚を返したとき、母は言った。「私の手でその銀を聖別して【主】にささげ、わが子のために、それで彫像と鋳像を造りましょう。今は、それをあなたに返します。」
4 しかし彼は母にその銀を返した。そこで母は銀二百枚を取って、それを銀細工人に与えた。すると、彼はそれで彫像と鋳像を造った。それがミカの家にあった。
5 このミカという人は神の宮を持っていた。それで彼はエポデとテラフィムを作り、その息子のひとりを任命して、自分の祭司としていた。
6 そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた。
士師記17章から21章は、ヨシュアが死んだ直後のイスラエルの状況を描いています。指導者をなくした民が、いかに堕落した状態になるかが描かれています。その様子を要約すれば、次のようになります。「そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」(17:6)。
ミカは、エフライムの山地出身でした。(1)ミカというのは、「誰が主のようであろうか」という意味ですが、彼はその名に反して主を無視した行動を取ります。(2)エフライムの山地にシロという町がありました。当時、幕屋はシロにありましたが、近くに幕屋があっても、ミカはそれから何らいい影響を受けていたわけではありません。(3)彼は母から銀1,100枚を盗みましたが、母の呪いの言葉を聞いて恐ろしくなり、それを返しました。異教的な宗教観では、呪いは呪われた人の上に留まるとされていました。特に、両親の呪いは一番恐れられていました。
十戒やモーセの律法に違反する行為が、連続して行なわれます。(1)母はその銀を聖別して主に捧げると言いながら、それをシロにある幕屋に持って行って捧げてはいません。彼女はそれを、自分の思うように使っています。(2)母は銀200枚を取って、それで彫像と鋳造を造り、それをミカの家に安置しました。(3)ミカは自分の家に神の宮を持っていましたが、これもまた律法違反です。神の宮は、主が命じた場所に設置しなければなりません。この当時は、それがシロだったのです。(4)彼はまた、エポデ(祭司用の服)とテラフィム(家の守護神)を作り、自分の息子のひとりを祭司に任命していました。これもまた、律法違反です。
指導者のいない民は、実に悲惨です。イスラエルの民はアブラハム、イサク、ヤコブの神を捨てたのではありません。彼らの信仰はカナン化し、混合宗教の罠に陥っていたのです。私たちの間に、常に神のみこころを大胆に宣言し続ける指導者が起こされるように祈りましょう。あなたは、日々主を恐れて歩んでいますか。命に至る道は狭いことをきょうも覚え、みことばに従って歩みましょう。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。最も恐ろしいのは、妥協であり、混合宗教です。どうか私を、あなたの小道に導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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