ペリシテ人の宴会

悔い改めるのに遅すぎるということはありません。どんな罪人でも、真実に悔い改めるなら、その人は神の赦しを受けることができます。イエスとともに十字架につけられた罪人のひとりは、死の間際に悔い改めを告白し、イエスから罪の赦しの保証を受けています。ナジル人の誓約を破ったために捕らわれの身となったサムソンもまた、最後は悔い改めによって赦しを受けています。
ペリシテ人たちは、サムソンを捕らえたことを自分たちの神ダゴンに感謝するために、宴会を催しました。そこにはペリシテの5人の領主と、数多くの男女が集いました。彼らは見世物にするために、サムソンを牢から宴会の場に呼び出しました。ナジル人の誓約を破ったサムソンは、盲目になり、奴隷になり、今やあざけりの対象となりました。

2本の柱

連れ出されたサムソンは、自分の手を握っている若者に、宮を支えている2本の中柱に寄りかからせてくれと頼みます。宮は群集で超満員でした。そればかりか、屋上にも約3,000人の男女がいて、サムソンが怪力を披露するのを見物していました。その時サムソンは、再び力が与えられるようにと祈り、2本の中柱を力をこめて引きました。すると、宮が崩れ落ち、その中にいた5人の領主たちと民全体とが死にました。（1）サムソンは悔い改めによって、再びナジル人としての立場を回復したのです。（2）主はサムソンが復讐するために力を注いだのではありません。主の栄光をあざけり、主の民イスラエルを苦しめたペリシテ人の罪を裁くために、サムソンに超自然的な力が付与されたのです。（3）その日サムソンが殺した者は、それまでに彼が殺した者よりも多かったのです。
サムソンの人生はパラドックスに満ちたものです。どんな強敵にも勝つことのできた彼が、最も弱い存在である女性に負けたのです。また、ナジル人の誓願を守るためにぶどう畑を迂回した彼が、触れてはならない獅子の死体の中から蜜を取って食べたのです。そして、最大のパラドックスは、そのように欠点の多い器を、主がご自身の計画のために用いられたという点です。これは、私たちの人生にも適用される神の愛のパラドックスです。