サポートする

士師記16:1~3

1 サムソンは、ガザへ行ったとき、そこでひとりの遊女を見つけ、彼女のところに入った。

2 このとき、「サムソンがここにやって来た」と、ガザの人々に告げる者があったので、彼らはサムソンを取り囲み、町の門で一晩中、彼を待ち伏せた。そして、「明け方まで待ち、彼を殺そう」と言いながら、一晩中、鳴りをひそめていた。

3 しかしサムソンは真夜中まで寝て、真夜中に起き上がり、町の門のとびらと、二本の門柱をつかんで、かんぬきごと引き抜き、それを肩にかついで、ヘブロンに面する山の頂へ運んで行った。

ガザに下るサムソン

ガザの遊女

ヘブル人への手紙1132は、サムソンを信仰の人のひとりに数え上げています。しかし、きょうの箇所を読む限り、サムソンを信仰の人と考えるのはかなり難しいように感じます。サムソンの行動につまずいたり、激しい反発を感じたりする人もいるはずです。では、なぜサムソンが信仰の人と呼ばれるのでしょうか。サムソンの時代は、私たちが生きている時代とは違うということを考慮に入れる必要があります。神のみこころはまだ完全には啓示されておらず、道徳基準も低いところにありました。また、神はサムソンのような問題の多い器を用いてご自身の業を行なわれるということも、考慮に入れておく必要があります。
(1)サムソンはガザにまで足を伸ばしています。ガザはペリシテの5大都市連合の中では、最南端の町です。つまり、彼はペリシテ人全体を敵に回す段階に来たということです。(2)彼は自分の霊の故郷から最も遠い所に来ました。そのことは、彼の滅びを暗示しています。(3)彼はペリシテ人の女に惹かれていますが、今度は遊女です。これはナジル人の禁に反しているだけでなく、誰にとっても罪です。彼の霊性はここまで堕ち、罪に対しては無感覚になっていたようです。

ガザの門

(4)ガザの人々は、サムソンを捕らえて殺すために、町の門で一晩中待機しました。(5)しかしサムソンは、真夜中頃に起き、町の門の扉と2本の門柱を引き抜いて、それを肩にかついでヘブロンに面する山の頂まで運びました。勝利した軍が、敵の門の扉を運び去るのは、当時の習慣です。ガザからヘブロンまでの距離は約60キロメートル、標高差は約900メートルです。その距離をサムソンは重い荷を負って歩いたのです。
サムソンは罪人ですが、そのサムソンがペリシテ人を罰するために、用いられています。さらに、サムソンがキリストの型であることを考えると、新しい視点が見えてきます。サムソンは包囲された町を出て、ヘブロンにまで登りました。一方、キリストは墓に葬られ、番兵たちに見張られ、その中で復活して天に昇られました。私たちの解放者であるキリストは、今も生きておられます。この方に信頼しましょう。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。私たちの解放者であり、大祭司であるキリストが、きょうもまた天の至聖所で執りなしをしていてくだることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ミカ書5〜6、詩篇91 ~ 92