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士師記7:16~23

16 そして、彼は三百人を三隊に分け、全員の手に角笛とからつぼとを持たせ、そのつぼの中にたいまつを入れさせた。

17 それから、彼らに言った。「私を見て、あなたがたも同じようにしなければならない。見よ。私が陣営の端に着いたら、私がするように、あなたがたもそうしなければならない。

18 私と、私といっしょにいる者がみな、角笛を吹いたなら、あなたがたもまた、全陣営の回りで角笛を吹き鳴らし、『【主】のためだ。ギデオンのためだ』と言わなければならない。」

19 ギデオンと、彼といっしょにいた百人の者が、真夜中の夜番の始まる時、陣営の端に着いた。ちょうどその時、番兵の交替をしたばかりであった。それで、彼らは角笛を吹き鳴らし、その手に持っていたつぼを打ちこわした。

20 三隊の者が角笛を吹き鳴らして、つぼを打ち砕き、それから左手にたいまつを堅く握り、右手に吹き鳴らす角笛を堅く握って、「【主】の剣、ギデオンの剣だ」と叫び、

21 それぞれ陣営の周囲の持ち場に着いたので、陣営の者はみな走り出し、大声をあげて逃げた。

22 三百人が角笛を吹き鳴らしている間に、【主】は、陣営の全面にわたって、同士打ちが起こるようにされた。それで陣営はツェレラのほうのベテ・ハシタや、タバテの近くのアベル・メホラの端まで逃げた。

23 イスラエル人はナフタリと、アシェルと、全マナセから呼び集められ、彼らはミデヤン人を追撃した。

ギデオンの神経戦

主からの知恵

主に信頼した時、勝利の確信だけでなく、勝利するための戦略まで与えられます。その戦略は、主からの知恵です。ギデオンが採用した戦略とは、以下のようなものでした。
彼は300人を3隊に分け、全員に角笛、陶器製の壷、そしてたいまつを持たせました。これは敵に、自分たちは大群に囲まれていると思い込ませるための戦略です。ギデオンは真夜中に敵の陣営に着き、番兵が交代したばかりの時をねらって攻撃を仕かけました。番兵はまだ暗闇に目が慣れていなかったので、好都合だったのです。ギデオンの軍勢は、五つのことをしています。(1)角笛を吹き鳴らす。300人が一斉に吹き鳴らしたのですから、さぞかし敵は驚いたことでしょう。(2)陶器製の壷を打ち砕く。この物音はさらに敵を恐れに追いやりました。(3)たいまつを左手に握る。今まで壷の中に隠れていたたいまつが、急に輝き始めたわけですから、ミデヤン人たちは大軍に包囲されたと思ったことでしょう。(4)右手に持った角笛をさらに吹き鳴らす。これは、敵の大軍が攻めて来ているとの印象を与えました。(5)「主の剣、ギデオンの剣だ」というときの声を上げる。「剣」とは比喩ひゆ的に戦いを表わした言葉です。この時点では、ギデオンの軍勢は「剣」を持っていませんでした。この鬨の声によって、この戦いが主の戦いであることが明らかになりました。

大勝利

敵はギデオンの神経戦によって大混乱に陥り、ついに同士討ちを始めてしまいました。暗闇ですから、誰が敵で誰が味方かわからないような状態で、とにかく自分を守るために武器を取ったのでしょう。敵は敗走を始めたため、ギデオンはナフタリ族、アシェル族、マナセ族から兵士を集めました。先に宿営に返されていた9,700人も招集されたことでしょう。
この大勝利は、私たちにとっても教訓となります。(1)ギデオンの300人が角笛を吹いたように、私たちもまた福音のメッセージを高らかに宣言する必要があります。(2)土の器が割られて中のたいまつが輝き出ました。私たちの内にある宝(福音の力)が輝き出るためには、土の器である私たち自身が砕かれる必要があります(IIコリント4:6~7)。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。土の器である私を砕き、内にあるキリストの光が輝き出るようにしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エゼキエル書20~21、ガラテヤ人への手紙6