31 エフデのあとにアナテの子シャムガルが起こり、牛の突き棒でペリシテ人六百人を打った。彼もまたイスラエルを救った。
3番目の士師はシャムガルですが、彼の話には、士師記のサイクルの解説が付随していません。しかし、書かれていなくても、同じサイクルがあったと考えられます。
シャムガルについての情報をまとめてみましょう。(1)シャムガルという名は、フルリ系の名です。その意味は、「シミグ(神)が賜った」というものです(ヌジ文書にこの名が見られます)。(2)さらに彼は、「アナテの子」と呼ばれています。アナテはカナン人の女神(戦争と性の神)の名で、バアルの姉妹に当たります。(3)以上のことから、シャムガルをイスラエル人ではなくカナン人と考える学者もいますが、むしろカナン人とその文化の影響がここまでイスラエルの民に深く浸透していたと考えるべきでしょう。
主は、カナン文化の影響を受けた名を持つ人物(シャムガル)さえも用いることができるお方です。
シャムガルはペリシテ人と戦っています。ペリシテ人とは、地中海沿岸地方に住んでいた人々で、イスラエルの地に侵入し、12部族を分断していました。また、交通の要衝を支配し、旅人を略奪していたと思われます。(1)シャムガルはペリシテ人600人を打ち殺して、イスラエルを救いました。600という数は、シャムガルが一生かかって殺したペリシテ人の総数でしょう。(2)彼は、「牛の突き棒」を使って戦いました。それ以外に武器がなかったからです。この突き棒は、牛を使って耕作する際に牛を突くために使われていた棒です。発掘された突き棒を見ると、長さが約2.4メートルで、太いほうは先端が周囲約15センチあります。細いほうの先端には、先のとがった鉄製の頭がついています。
このような粗末な棒で大勝利を収めたとは、驚くべきことです。ここに、主の戦いに勝利する秘訣があります。資金がない、物がない、場所がない、機会がない。確かにそうかもしれませんが、これらのことが決定的な問題なのではありません。問題は、私たちの側に信仰や幻がないことです。主に信頼するなら、私たちは「牛の突き棒」を使ってでも大勝利を収めることができます。持てるものを用いて戦いを始めましょう。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。どうか私が、与えられているものを用いて主の戦いに参加できますように、私の意識を変革してください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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エレミヤ書48~49、コリント人への手紙 第二11
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