1 ヨシュアは翌朝早く、イスラエル人全部といっしょに、シティムを出発してヨルダン川の川岸まで行き、それを渡る前に、そこに泊まった。
2 三日たってから、つかさたちは宿営の中を巡り、
3 民に命じて言った。「あなたがたは、あなたがたの神、【主】の契約の箱を見、レビ人の祭司たちが、それをかついでいるのを見たなら、あなたがたのいる所を発って、そのうしろを進まなければならない。
4 あなたがたと箱との間には、約二千キュビトの距離をおかなければならない。それに近づいてはならない。それは、あなたがたの行くべき道を知るためである。あなたがたは、今までこの道を通ったことがないからだ。」
5 ヨシュアは民に言った。「あなたがたの身をきよめなさい。あす、【主】が、あなたがたのうちで不思議を行われるから。」
6 ヨシュアは祭司たちに命じて言った。「契約の箱をかつぎ、民の先頭に立って渡りなさい。」そこで、彼らは契約の箱をかつぎ、民の先頭に立って行った。
7 【主】はヨシュアに仰せられた。「きょうから、わたしはイスラエル全体の見ている前で、あなたを大いなる者としよう。それは、わたしがモーセとともにいたように、あなたとともにいることを、彼らが知るためである。
8 あなたは契約の箱をかつぐ祭司たちに命じてこう言え。『ヨルダン川の水ぎわに来たとき、あなたがたはヨルダン川の中に立たなければならない。』」
シティムを発ったイスラエル人は、ヨルダン川の川岸に着き、そこに3日間留まります。現在のヨルダン川の様子から、当時の状況を類推してはなりません。当時のヨルダン川の水量は非常に多かったのです。川岸に立ったイスラエルの民は、この川を渡るのは人間業ではないこと、主の助けがなければ成就しないことを強く感じたことでしょう。3日たってから、つかさたちは宿営の中を巡り、民に命じます。(1)契約の箱を担いだ祭司たちが先頭に立って川を渡るようになる。(2)この契約の箱との間に約2,000キュビト(900メートル)の距離を置き、その後について川を渡らねばならない。
「契約の箱」というのは、アカシヤ材でできた長さ1メートル余り、幅と高さが約67センチメートルほどの箱で、金で覆われていました。その中には、十戒の2枚の石板、マナ、芽を出したアロンの杖が納められていました。(1)契約の箱が先頭を切るということは、神の臨在が民に先立って進んでいるということを象徴しています。(2)約2,000キュビトの距離を置くというのは、神が聖なる方であることを教えるためです。また、これだけの距離を置くことで、どの位置からでも契約の箱が進んで行く様子がよく見えます。ちなみに、この2,000キュビトという距離は、後代のユダヤ教で、安息日に歩いてもよい距離と解釈されるようになりました。
川を渡る前日になって、ヨシュアは民に、心の準備をするように命じています。「あなたがたの身をきよめなさい。あす、主が、あなたがたのうちで不思議を行なわれるから」(5節)。「不思議」というのは、神からの新しい啓示(奇跡)のことです。(これと似たようなことが、出エジプト記19:10〜15で起こっていました。その箇所では、イスラエルの民は2日かけて主に出会う準備をしています。)主はヨルダン渡河の奇跡を通して、ご自身がヨシュアとともにいることを民に教えようとされたのです。
昔も今も、主の御業は主の臨在の力によって成し遂げられます。私たちが為すべきことは、身を清め、心の準備をし、主の臨在の聖なることを認め、その導きに従って前進することです。きょうも、主の臨在を確認してこの世に出て行きましょう。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。あなたの臨在を慕い求めます。どうかきょうも、私をあなたの道へとお導きください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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