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ヨシュア記2:1〜7

1 ヌンの子ヨシュアは、シティムからひそかにふたりの者を斥候として遣わして、言った。「行って、あの地とエリコを偵察しなさい。」彼らは行って、ラハブという名の遊女の家に入り、そこに泊まった。

2 エリコの王に、「今、イスラエル人のある者たちが、今夜この地を探るために、入って来ました」と告げる者があったので、

3 エリコの王はラハブのところに人をやって言った。「あなたのところに来て、あなたの家に入った者たちを連れ出しなさい。その者たちは、この地のすべてを探るために来たのだから。」

4 ところが、この女はそのふたりの人をかくまって、こう言った。「その人たちは私のところに来ました。しかし、私はその人たちがどこから来たのか知りませんでした。

5 その人たちは、暗くなって、門が閉じられるころ、出て行きました。その人たちがどこへ行ったのか存じません。急いで彼らのあとを追ってごらんなさい。追いつけるでしょう。」

6 彼女はふたりを屋上に連れて行き、屋上に並べてあった亜麻の茎の中に隠していたのである。

7 彼らはその人たちのあとを追って、ヨルダン川の道を渡し場へ向かった。彼らがあとを追って出て行くと、門はすぐ閉じられた。

斥候の派遣

派遣の目的

ヨシュアは2人の斥候を遣わしています。(1)その目的は、これから征服しようとしているエリコの町の情報を収集させるためです。(2)斥候はひそかに遣わされています。カナン人にさとられないためですが、それだけではありません。ヨシュアは、40年前のカデシュ・バルネアの事件を思い出していたのでしょう。その時は、斥候が持ち帰る否定的な情報によって、イスラエルの民が不信仰に陥りました。今回は、その危険性を回避するために、斥候を遣わすことは秘密にされました。
彼らは、ラハブという遊女の家に入りました。ラハブは宿屋の主人で、密かに遊女としても働いていたのでしょう。(1)2人の斥候がそこに入ったのは、人目につかないように行動するためです。見慣れない男が遊女宿に入るのは、ごく普通のことです。(2)その宿は城壁の中にありましたので、2人の斥候にとっては出入りが容易でした。(3)この背後には、神の摂理的な御手がありました。ラハブはすでに、イスラエルの神に対する信仰を持っていました。

ラハブの嘘

エリコの王(領主)に、イスラエル人の斥候が入って来たと告げる者が現われました。そこで王はラハブのところに人を送り、斥候を連れ出すように命じます。ラハブは2人の斥候を屋上にかくまい、彼らを助けます。ここでよく問題になるのが、ラハブの嘘は罪かどうかということです。異論もあるかと思いますが、筆者はこう考えています。(1)彼女は命の危険を冒して斥候を助けています。このような行為を罪と呼ぶべきではありません。(2)きょうの聖書箇所には、彼女の嘘を糾弾しているような様子はありません。新約聖書もまた、彼女の信仰を高く評価しています(ヘブル1 1:3 1、ヤコブ2:2 5)。(3)真実を語り、2人の斥候を殺すことこそ罪と呼ぶべきです。
ラハブは信仰によって、ダビデを、そしてメシアを世に送り出す家系につながる特権を得ます(マタイ1:5)。彼女は、悔い改めと信仰によって神の祝福を得ることができるというモデルケースとなりました。どんな罪深い人にも、神の恵みが差し出されています。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。悔い改めと信仰によってあなたの恵みを受け取ることができることを感謝します。きょうも、行ないの伴った信仰生活を送ることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第一17~18、使徒の働き19