17 兄弟たち。私はあなたがたに願います。あなたがたの学んだ教えにそむいて、分裂とつまずきを引き起こす人たちを警戒してください。彼らから遠ざかりなさい。
18 そういう人たちは、私たちの主キリストに仕えないで、自分の欲に仕えているのです。彼らは、なめらかなことば、へつらいのことばをもって純朴な人たちの心をだましているのです。
19 あなたがたの従順はすべての人に知られているので、私はあなたがたのことを喜んでいます。しかし、私は、あなたがたが善にはさとく、悪にはうとくあってほしい、と望んでいます。
20 平和の神は、すみやかに、あなたがたの足でサタンを踏み砕いてくださいます。どうか、私たちの主イエスの恵みが、あなたがたとともにありますように。
先に進む前に、文脈を確認してみましょう。15:14 〜 16:27は、ロマ書の「結論」の部分です。私たちはすでに、①「執筆の目的」(15:14〜21)、②「パウロの将来の計画」(15:22〜33)、③「キリストにある同労者たち」(16:1〜16)について学びました。ローマ16:17〜27は、「最後の言葉」です。これもまた、決して軽い内容ではありません。
「兄弟たち。私はあなたがたに願います。あなたがたの学んだ教えにそむいて、分裂とつまずきを引き起こす人たちを警戒してください。彼らから遠ざかりなさい」(17節)。(1)ローマの信者たちは、教理的学びをしていたことが分かります。彼らは、「使徒たちの教え」を学び、その上に信仰を築いていたのです。その中には、パウロの教えも含まれます。(2)パウロは、偽教師の出現を予想していますが、これはイエスの教えとも合致します。「にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲な狼です」(マタ7:15)。(3)パウロは、テトス3:10でこう教えています。「分派を起こす者は、一、二度戒めてから、除名しなさい」。(4)「分裂とつまずきを引き起こす人たち」とは、教理的な分裂を起こす人たちのことです。教会には調和と多様性がありますので、全員が同じ意見を持つ必要はありません。しかし、本質的な福音の真理に関しては、妥協すべきではありません。「つまずき」とは、道徳的なものです。(5)信者の取るべき態度は、「警戒する」ことです。これは、ギリシア語で「スコペオウ」で、非常に強い意味の言葉です。「遠ざかる」とは、現在形の命令文です。従って、遠ざかり続けることを意味します。
「そういう人たちは、私たちの主キリストに仕えないで、自分の欲に仕えているのです。彼らは、なめらかなことば、へつらいのことばをもって純朴な人たちの心をだましているのです」(18節)。(1)偽教師の特徴は、主キリストに仕えないで、自分の欲に仕えているということです。「自分の腹に仕えている」(新共同訳)のです。(2)偽教師の武器は、「なめらかなことば、へつらいのことば」です。(3)偽教師の目的は、「純朴な人たちの心をだます」ことです。(4)偽教師の見分け方は単純です。その教えが「使徒たちの教え」と調和していなければ、それは偽教師です(2ペテ2:3、1コリ2:4参照)。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。使徒たちの教えを学び、その上に信仰を立てればよいのだということを理解しました。感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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