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ローマ人への手紙14:1 〜 4

1 あなたがたは信仰の弱い人を受け入れなさい。その意見をさばいてはいけません。

2 何でも食べてよいと信じている人もいますが、弱い人は野菜よりほかには食べません。

3 食べる人は食べない人を侮ってはいけないし、食べない人も食べる人をさばいてはいけません。神がその人を受け入れてくださったからです。

4 あなたはいったいだれなので、他人のしもべをさばくのですか。しもべが立つのも倒れるのも、その主人の心次第です。このしもべは立つのです。なぜなら、主には、彼を立たせることができるからです。

教会内の調和を求めて(1)

文脈の確認

先に進む前に、文脈を確認してみます。ロマ書の構造は、 1〜8章が教理、 9 〜 11章がイスラエルの救い、 1216章が適用です。12章は、基本的には教会内の行動についての勧めでした。13章は、二重国籍者への勧め、つまり、国家とキリスト者の関係についての勧告でした。ここから14章に入りますが、14:1〜1513は、雑多な問題を扱っている箇所です。きょう取り上げる14:1〜4は、「教会内の一致を求めて」がテーマです。これは、「超道徳的なテーマ」です。つまり、それ自体では良くも悪くもないというものです。これらのテーマは、聖書が明確に指示していない「グレーゾーン」に入るものです。ここに書かれたパウロの勧告は、現代の信者にとっても重要なものです。

ローマ教会にあった問題

内容に入る前に、パウロが14:1〜1513の勧告を書いた背景(ローマ教会にあった諸問題)を見てみます。(1)ロマ書は57年頃に書かれました。キリストの死と復活から、20数年しか経過していません。それゆえ、教理的な部分は理解したとしても、実生活の面で分からないことが多く出てきます。各人が、自らの経験や、文化的背景を持って教会に参加してくるので、混乱は避けられません。(2)この時代は、律法の時代から恵みの時代に移行していく過程にありました。イエスをメシアと信じたユダヤ人信者には、とまどいが多くあったことでしょう。それまでの時代、ユダヤ人たちは律法に導かれて生活してきました。その彼らが、今や恵みと信仰によって義とされました。では、モーセの律法や口伝くでん律法をどう考えたらいいのかという疑問がわくのは、当然のことです。(3)教会の中に、ユダヤ人信者と異邦人信者の不協和音が生じていました。特に、「肉」と「日」に関する認識の違いがありました。一般的には、ユダヤ人信者は、それらの問題に関して厳格に解釈する傾向にありました。一方、異邦人信者は、こまかいことにはとらわれない人が多かったのです。
そこでパウロは、牧会者として具体的な指示を出す必要性を感じました。それは、聖書が明確に教えていない「グレーゾーン(あいまいなテーマ)」について、信者はどう考えるべきかという教えです。いずれにしても、信者の行動原則は、「愛の実践」です。「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という言葉の重みを、もう一度思い出そうではありませんか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。「グレーゾーン(あいまいなテーマ)」については、愛をもって判断することができますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨシュア記7~8、ルカの福音書4