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ローマ人への手紙11:25 〜 29

25 兄弟たち。私はあなたがたに、ぜひこの奥義おくぎを知っていていただきたい。それは、あなたがたが自分で自分をかしこいと思うことがないようにするためです。その奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、

26 こうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう書かれているとおりです。「救う者がシオンから出て、ヤコブから不敬虔けいけんを取り払う。

27 これこそ、彼らに与えたわたしの契約である。それは、わたしが彼らの罪を取り除く時である。」

28 彼らは、福音によれば、あなたがたのゆえに、神に敵対している者ですが、選びによれば、父祖たちのゆえに、愛されている者なのです。

29 神の賜物たまもの召命しょうめいとは変わることがありません。

イスラエルの最終的な救い(1)

イスラエルの救い

きょうの箇所から、ロマ書9〜11章で展開されてきた議論のまとめに入ります。その内容は、「終末におけるイスラエルの救い」です。
「兄弟たち。私はあなたがたに、ぜひこの奥義を知っていていただきたい。それは、あなたがたが自分で自分を賢いと思うことがないようにするためです」。(1)この節の冒頭に、「なぜなら」、「というのは」という接続詞が入ります(ギリシア語で「ガー」)。それは、24節と2526節をつなぐ接続詞です。(2)「ぜひこの奥義を知っていていただきたい」とあります。「奥義」(新改訳)、「秘められた計画」(新共同訳)などと訳された言葉は、ギリシア語で「ムステリオン」です。カルト宗教では、ごとを知らされることが救いであり、特権です。聖書では、「かつて隠されていたが、今や啓示けいじによって明らかにされたこと」を「奥義」と言います。内容が神秘的でなくても構いません。今は知られるようになったという点に強調があります。(3)「それは、あなたがたが自分で自分を賢いと思うことがないようにするためです」。異邦人信者の中に、神の救済計画はすべて分かったと思っている人がいたのでしょう。

奥義

では、奥義とはなんでしょうか。それは、「イスラエルの救い」のことではありません。なぜなら、それは旧約聖書で預言されていた真理だからです。奥義とは、「イスラエルよりも先に異邦人が救われる」ということです。イスラエルは、「終末におけるイスラエルの救い」という期待を持っていました。しかし彼らは、一時的につまずきました。その結果、救いが異邦人に及んだのです。「イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、」とあります。(1)イスラエルのつまずきは、一部であり、一時的なものです。(2)イスラエル人の不信仰は、「異邦人の完成のなる時まで」続きます。「完成」とは、ギリシア語で「プレイロウマ」で、数が満ちることを意味します。つまり、救いに予定されている異邦人がすべて救われた時、イスラエルの救いが来るということです。(3)オリーブの木に接ぎ木される異邦人の数は決まっています(1625節参照)。それゆえ、私たちは異邦人伝道に励む必要があります。今は、ユダヤ人は個人的に救われる時代ですから、ユダヤ人伝道にもかかわる必要があります。異邦人伝道とユダヤ人伝道とは、車の両輪のようなものです。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。異邦人の救いが完成した後、イスラエル人の民族的救いが完成します。今という時を生かして伝道に励むことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記18 ~ 19、マタイの福音書2