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ローマ人への手紙11:13 〜16

13 そこで、異邦人の方々に言いますが、私は異邦人の使徒ですから、自分のつとめを重んじています。

14 そして、それによって何とか私の同国人にねたみを引き起こさせて、その中の幾人でも救おうと願っているのです。

15 もし彼らの捨てられることが世界の和解であるとしたら、彼らの受け入れられることは、死者の中から生き返ることでなくて何でしょう。

16 初物はつものきよければ、粉の全部が聖いのです。根が聖ければ、枝も聖いのです。

パウロの異邦人伝道の目的

1314

「そこで、異邦人の方々に言いますが、私は異邦人の使徒ですから、自分の務めを重んじています」。(1)9〜11章は、イスラエルの救いについて論じている箇所なのですが、ここでパウロは、このテーマが異邦人にも関係していることを思い出させています。(2)「異邦人の使徒」。使徒という言葉には定冠詞ていかんしがないので、その意味は、「an apostle of Gentiles(何人かいる中のひとり)」となります。つまり、ほかにも異邦人伝道をしている人がいたということです。(3)「自分の務めを重んじています」。ギリシア語では「ドクサゾウ」、英語では「glorify」「praise」です。つまり、彼はこの務めを、非常に光栄に思っているということです。その理由は、次の14節に出てきます。
「そして、それによって何とか私の同国人にねたみを引き起こさせて、その中の幾人でも救おうと願っているのです」。(1)異邦人の救いは、イスラエル人にねたみを起こさせるというのです(11節の内容と同じ)。(2)「幾人でも救おうと願っている」。彼は、今は少数のイスラエル人しか救われないということを知っています。イスラエルの民族的救いは、終末的出来事なのです。

1516

「もし彼らの捨てられることが世界の和解であるとしたら、彼らの受け入れられることは、死者の中から生き返ることでなくて何でしょう」。(1)これもまた、小から大への議論です。(2)小とは、「彼らの捨てられること」であり、それが「世界の和解」(異邦人の救い)につながります。(3)大とは、「彼らの受け入れられること」であり、これは「死者の中から生き返ること」につながります。これは、ユダヤ人の霊的覚醒かくせいのすばらしさを表現した言葉です。
「初物が聖ければ、粉の全部が聖いのです。根が聖ければ、枝も聖いのです」。(1)この聖句の背景には、民数記151721(初物奉献の規定)があります。(2)「初物」「根」は、「アブラハム、イサク、ヤコブ(族長たち)」を指しています。それは、神のために選び分けられたという意味で、聖いのです。(3)「粉の全部」「枝」は、イスラエル全体のことです。この聖句が、イスラエルの民族的救いの根拠になっています。パウロは、異邦人の救いがやがてユダヤ人の救いにつながることを知っていて、異邦人伝道に励んでいるのです。私たちも、究極的な善が何かを見分けることができるように、神から知恵を求めようではありませんか。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。パウロが持っていたような知恵と情熱を、私にもお与えください。永遠に続くことのために、労することができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記12 ~ 13、ヨハネの福音書20