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ローマ人への手紙11:11 〜 12

11 では、尋ねましょう。彼らがつまずいたのは倒れるためなのでしょうか。絶対にそんなことはありません。かえって、彼らの違反によって、救いが異邦人に及んだのです。それは、イスラエルにねたみを起こさせるためです。

12 もし彼らの違反が世界の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となるのなら、彼らの完成は、それ以上の、どんなにかすばらしいものを、もたらすことでしょう。

異邦人の救いの目的(2)

神の人類救済計画のステップ

この箇所の2回目の学びです。前回は、神の人類救済計画のステップについて考えました。① イスラエルの大半がメシアを拒否する。② その結果、救いが異邦人に行く。③ イスラエルがねたみを起こし、やがて民族的救いを経験する。(1)パウロは、「それは、イスラエルにねたみを起こさせるためです」と書いていますが、それはすでに1019に出ていた真理です。(2)「ねたみを起こさせる」という動詞は、ギリシア語で「パラゼイロタイ」です。それは、パラ(そばにいる)とゼイロタイ(嫉妬しっとさせる)の合成語です。その意味は、異邦人信者がユダヤ人のそばに寄り添い、イエス・キリストにある祝された人生を見せることによって、彼らに嫉妬心を与えるということです。

12

「もし彼らの違反が世界の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となるのなら、彼らの完成は、それ以上の、どんなにかすばらしいものを、もたらすことでしょう」。(1)これは、ラビ的論法のひとつ、「小から大への議論」です。(2)小とは、「彼らの違反が世界の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となる」という部分です。①「彼らの違反」「彼らの失敗」とは、メシアを拒否したことを指します。②「世界の富となる」とは、人類にとって益となるということです。③「異邦人の富となる」とは、異邦人が救われるということです。(3)大とは、「彼らの完成」と、それがもたらす祝福のことです。①「彼らが全部救われたなら」(口語訳)、②「彼らが皆救いにあずかる」(新共同訳)、などの訳もあります。③「彼らの完成」は、ギリシア語で「プレイロウマ」です。④ 英語では「their fulness」です。(3)以上の議論から、ユダヤ人が民族的救いを体験した時、今まで以上にすばらしい祝福が来ることが分かります。「それ以上の、どんなにかすばらしいものを、もたらすことでしょう」とは、具体的には、メシアの再臨さいりんと千年王国の成就じょうじゅです。
きょうの箇所には、傲慢ごうまんな異邦人信者へのパウロの怒りが見えます。① 当時、イスラエルが不信仰におちいったので、イスラエルを見下す異邦人がいたのでしょう(ローマ教会にもいたと思われます)。② 彼らは、異邦人の救いこそ神の計画のクライマックスであると考えていました。③ しかし、そうではありません。聖書のクライマックスは、神の計画(ユダヤ人の救いも含まれる)がすべて成就し、神の栄光が現れることです。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。傲慢な異邦人信者がいたこと、そして、今もいることをお詫びします。どうかお赦しください。神の栄光が現れることを心から願います。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記10 ~ 11、詩篇15~16