29 なぜなら、神は、あらかじめ知っておられる人々を、御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められたからです。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです。
30 神はあらかじめ定めた人々をさらに召し、召した人々をさらに義と認め、義と認めた人々にはさらに栄光をお与えになりました。
ローマ8:28を通して、神の摂理の御手について学びました。きょうはその続きの箇所です。パウロは、5つの動詞を真珠のネックレスのように繋いで、神の摂理がどのようにして働くのかを説明しています。これは、救いに与った者が自らの体験として他の信者と共有できる内容になっています。そこで、これから4回に分けて、5つの動詞の内容を確認していきます。自らのクリスチャン生活を思い出しながら、神の守りと導きの素晴らしさを味わおうではありませんか。
さて、29節にはこうあります。「なぜなら、神は、あらかじめ知っておられる人々を、御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められたからです。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです」。私たちは、これまでのロマ書の学びを通して、救いには「義認、聖化、栄化」という3つの要素があることを知りました。しかし、この聖句は、それらの3つの要素の前に神の準備があることを教えています。それは、① 神の事前の知識、② 神の事前の選び、③ 神の召し(招き)というものです。この3 つの要素がなければ、私たちの救いはあり得ません。つまり、私たちが救われたのはすべて神の恵みによるということです。
私たちクリスチャンについては、「(神が)あらかじめ知っておられる人々」と表現されています。この「あらかじめ知っている」という動詞が、5つの動詞の最初のものです。(1)これは、「プロ・ギノウスコウ」という動詞です。分解すると、「プロ」(前もって)と「ギノウスコウ」(知っている)に分かれます。(2)ここで、「神はどのようにして、私たちが存在する前から、私たちを知っておられたのか」という疑問がわいてきます。実はこれは、次に出てくる第2の動詞と深く関係した問いです。簡単に解説しますと、神は事前に私たちを選んでくださったということです。その選びがあるので、神はあらかじめ私たちを知っていてくださった、と言い得るのです。
神に選ばれ、知られていたことを感謝しましょう。私たちの救いは、天地創造の前から神によって定められていました。キリストを信じて救われた人たちは、自分の救いはすべて恵みによることを実感しているはずです。私たちのような者を救ってくださった神に感謝の祈りをささげようではありませんか。
きょうの祈り
天の父よ。あなたは私を、あらかじめ、天地創造の前から、知っていてくださいました。それゆえ、私は救われました。この恵みに感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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