26節

今私たちは、「栄化」のテーマについて学んでいます。今回は、御霊のうめきについて学んでみます。私たちは、御霊の初穂をいただいていますが、未完成なので葛藤し、うめいています。それは、救いの完成（復活のからだ）を求めるがゆえのうめきです。
「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます」（26節）。（1）私たちは弱いのです。それは、肉体的、道徳的弱さだけでなく、霊的真理の理解力の欠如けつじょも含みます。1コリント13：12には、こうあります。「…今、私は一部分しか知りませんが、その時には、私が完全に知られているのと同じように、私も完全に知ることになります」。（2）弱さのゆえに、私たちにはどう祈っていいか分からないことがあります。そのとき、御霊が私たちを助けてくださいます。「同じようにして」とは、私たちと同じように御霊もうめいているということです。（3）「言いようもない深いうめき」とあります。新共同訳は「言葉に表せないうめき」と訳しています。ある人たちは、これを異言いげんと解釈します。しかし、これは異言ではありません。異言は言葉ですが、御霊のうめきは言葉にはできない内なるうめきです（英語では、「cannot be uttered」です）。

27節

「人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御霊は、神のみこころに従って、聖徒のためにとりなしをしてくださるからです」。（1）「人間の心を探り窮める方」とは、父なる神です。父なる神は、人間の心に何があるかをご存じです（1サム16：7参照）。（2）また、父なる神は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。その結果、私たちの祈りは父なる神に届いているのです。
ここに祈りの神秘があります。以下の点を確認しましょう。① 私たちの祈りは、弱さや限界のゆえに、いつも不十分です。② 御霊が、私たちの祈りの欠点を修正し、不足を補おぎなってくださいます。③ その結果、私たちのうめき（23節）が、御霊のうめき（26節）となります。④ 御霊の執とりなしは、父なる神の御心みこころに従ったものです。⑤ それゆえ、私たちの祈りは神に聞かれているのです。
祈りは神秘です。祈りの限界を感じながらも、それを実行するなら、神からの祝福を受けます。