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ローマ人への手紙5:1

1 ですから、信仰によって義と認められた私たちは、私たちの主イエス・キリストによって、神との平和を持っています。

義認の喜び(1)

義認のまとめ

ローマ5章は、素晴らしい章です。この章は、「ですから、信仰によって義と認められた私たちは、」(1節)という句で始まります。この句は、ここまでの義認に関する議論のまとめとなっています。この章の祝福を味わうためには、私たちの今の状態(信仰によって義とされたという状態)を確認しておく必要があります。そこで、先に進む前に、これまでパウロが展開してきた義認の議論を振り返ってみます。
(1)有罪宣言がありました(1:18〜3:20)。そこでは、ユダヤ人も異邦人もともに罪人であることを示され、人類の普遍的罪の証明がなされました。(2)神の義の提供が語られました(3:2126)。そこでは、ユダヤ人にも異邦人にも、キリストを信じる信仰による義が提供されたという説明がなされました。(3)義認と律法の関係が論じられました(3:2731)。この議論は、ユダヤ人からくるであろう質問を想定して、それに答えたものです。換言すると、それは、信仰による義と律法をいかに調和させるかという問題でもあります。パウロは、信仰は律法を否定するのではなく、結果的に律法を確立することになる、と論じました。(4)義認は信仰によることを証明するために、パウロはアブラハムの例を上げました(4:1 〜 25)。アブラハムは、律法が与えられる前の時代に、信仰によって義とされました。また、割礼を受ける前に義とされました。アブラハムが体験した救いは、わざによる救いではありませんでした。

5章の内容

以上の内容を受けて、5章では、義認の後に何が起こるかという議論が展開されます。過去の罪の問題は、義認で解決しました。しかし、信者には将来に対する不安があります。さまざまな試練や苦難が待っています。それをどう解決するのでしょうか。パウロは、将来の問題も、義認という原則によって解決すると教えます。パウロは、義認の結果信者に与えられた5つの祝福を列挙します。(1)神との平和(1節)、(2)恵みへのアクセス(利用する権利)(2 節a)、(3)栄光の希望に関する誇り(2節b)、(4)今の時の忍耐心(3 〜10 節)、(5)神に関する誇り(11節)。この5 つの祝福を順番に見て行きましょう。
将来の生活に対する不安も、義認の真理によって取り除かれます。私たちがキリストを通して受けている神の子としての身分は、想像を絶するような祝福です。

きょうの祈り

天の父なる神さま。将来に対する不安も、義認の真理によって解決します。キリストにあって与えられている神の子としての身分を喜ぶことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エズラ記1~2、ペテロの手紙 第二2