祈りの人パウロ（9〜10節）

きょうの箇所では、パウロとローマ教会との関係が説明されます。パウロはまだこの教会を訪問したことがないので、この手紙の受け取り手と「心の絆（信仰の絆）」を結ぶ必要を感じていました。この箇所の2回目の学びです。
パウロは、この教会のために常にとりなしの祈りをささげています。「私が御子の福音を宣べ伝えつつ霊をもって仕えている神があかししてくださることですが、私はあなたがたのことを思わぬ時はなく、」とあります。（1）彼は、神を証人にしています。「霊をもって仕えている」とは、「心から仕えている」（新共同訳）ということです。彼は、キリストの福音を宣べ伝えることを通して、神に仕えています。（2）「私はあなたがたのことを思わぬ時はなく」とあります。パウロはこの教会を訪問したことはなかったのですが、そのうわさはよく聞いていました。そして、良い教会ではあるが、まだ欠けているものがあることを知っていました。彼はローマ教会のためにいつも祈っていたので、訪問したくなったのです。（3）「いつも祈りのたびごとに、神のみこころによって、何とかして、今度はついに道が開かれて、あなたがたのところに行けるようにと願っています」とあります。この祈りは、長い時間をかけた祈りです。「今度はついに」という言葉がそれを示しています。この祈りは、神の御心がなるようにという祈りです。使徒とは、神の代理人です。代理人なら、派遣者の意図どおりに動かねばなりません。

私たちへの教訓

パウロの祈りから、クリスチャンの一体感を学ぶことができます。初対面の人でも、クリスチャン同士ならすぐに親しくなれます。それは、クリスチャンの間には同じ主を信じる信仰の一体感があるからです。また、会ったことがなくても、その人のためにとりなしの祈りをささげることができます。これもまた、クリスチャンの特権であり、特徴です。
会ったことはないが、宣教報告によってその名を知っている宣教師がいますか。その宣教師のために祈ろうではありませんか。訪問したことはないが、キリスト教に対する迫害があることは知っている国はありますか。それらの国々のクリスチャンたちのために祈ろうではありませんか。