11 しかしモーセは、彼の神、【主】に嘆願して言った。「【主】よ。あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地から連れ出されたご自分の民に向かって、どうして、あなたは御怒りを燃やされるのですか。
12 また、どうしてエジプト人が『神は彼らを山地で殺し、地の面から絶ち滅ぼすために、悪意をもって彼らを連れ出したのだ』と言うようにされるのですか。どうか、あなたの燃える怒りをおさめ、あなたの民へのわざわいを思い直してください。
13 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルを覚えてください。あなたはご自身にかけて彼らに誓い、そうして、彼らに、『わたしはあなたがたの子孫を空の星のようにふやし、わたしが約束したこの地をすべて、あなたがたの子孫に与え、彼らは永久にこれを相続地とするようになる』と仰せられたのです。」
14 すると、【主】はその民に下すと仰せられたわざわいを思い直された。
モーセはイスラエルの民のために執りなしの祈りを捧げた。この祈りは、3 つのことにアピールする内容になっている。(1)神の恵みへのアピール(11 節)。「【主】よ。あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地から連れ出されたご自分の民に向かって、どうして、あなたは御怒りを燃やされるのですか」。ここでモーセは、イスラエルに向けられた神の愛にアピールしている。(2)神の性質へのアピール(12 節)。「また、どうしてエジプト人が『神は彼らを山地で殺し、地の面から絶ち滅ぼすために、悪意をもって彼らを連れ出したのだ』と言うようにされるのですか」。モーセは、神の御名の栄光へのアピールをしている。神の御名がエジプト人によって汚されて良いはずがない。(3)神の契約へのアピール(13 節)。「あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルを覚えてください。あなたはご自身にかけて彼らに誓い、そうして、彼らに、『わたしはあなたがたの子孫を空の星のようにふやし、わたしが約束したこの地をすべて、あなたがたの子孫に与え、彼らは永久にこれを相続地とするようになる』と仰せられたのです」。モーセは、アブラハム契約は無条件契約であることへのアピールをしている。彼は、神の御心を良く理解していたのである。
「すると、【主】はその民に下すと仰せられたわざわいを思い直された」(14 節)とある。つまり、神はモーセの祈りを喜ばれた。ここでは、神の御心が変化したように見えるが、それをどう考えたら良いのだろうか。(1)神の視点と人間の視点の違いに注目しよう。人間の視点から見ると、神の御心が変化したように思えることがあるが、この箇所はそれに当たる。(2)しかし、神の計画は変化しない。たとえば、モーセの律法の中の食物規定は、今の時代には適用されない。神の計画が変わったように見えるが、最初からこれは一時的な規定だったので、神の御心が変わったわけではない。
神がイスラエルと結んだアブラハム契約は、無条件契約である。それゆえ、イスラエルの民が滅びることはあり得ない。神の計画が変化したように見えた(イスラエルの民を断ち滅ぼすということば)のは、モーセにとりなしの祈りの機会を与えるためである。ここに祈りの本質がある。祈りの本質は、熱心さによって神の御心を変化させることではなく、神の御心がなるようにと願い求めることである。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。あなたの契約は必ず成就します。どうかあなたの御心が私の人生においてなりますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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エレミヤ書36~37、コリント人への手紙 第二6
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