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出エジプト記22:1 〜 15

1 牛とか羊を盗み、これを殺したり、これを売ったりした場合、牛一頭を牛五頭で、羊一頭を羊四頭で償わなければならない。

2 ──もし、盗人が、抜け穴を掘って押し入るところを見つけられ、打たれて死んだなら、血の罪は打った者にはない。

3 もし、日が上っていれば、血の罪は打った者にある──盗みをした者は必ず償いをしなければならない。もし彼が何も持っていないなら、盗んだ物のために、彼自身が売られなければならない。

4 もし盗んだ物が、牛でも、ろばでも、羊でも、生きたままで彼の手の中にあるのが確かに見つかったなら、それを二倍にして償わなければならない。

5 家畜に畑やぶどう畑の物を食べさせるとき、その家畜を放ち、それが他人の畑の物を食い荒らした場合、その人は自分の畑の最良の物と、ぶどう畑の最良の物とをもって、償いをしなければならない。

6 火災を起こし、それがいばらに燃え移り、そのため積み上げた穀物の束、あるいは立穂、あるいは畑を焼き尽くした場合、出火させた者は、必ず償いをしなければならない。

7 金銭あるいは物品を、保管のために隣人に預け、それがその人の家から盗まれた場合、もし、その盗人が見つかったなら、盗人はそれを二倍にして償わなければならない。

8 もし、盗人が見つからないなら、その家の主人は神の前に出て、彼が隣人の財産に絶対に手をかけなかったことを誓わなければならない。

9 すべての横領事件に際し、牛でも、ろばでも、羊でも、着物でも、どんな紛失物でも、一方が、『それは自分のものだ』と言う場合、その双方の言い分を、神の前に持ち出さなければならない。そして、神が罪に定めた者は、それを二倍にして相手に償わなければならない。

10 ろばでも、牛でも、羊でも、またどんな家畜でも、その番をしてもらうために隣人に預け、それが死ぬとか、傷つくとか、奪い去られるとかして、目撃者がいない場合、

11 隣人の財産に絶対に手をかけなかったという【主】への誓いが、双方の間に、なければならない。その持ち主がこれを受け入れるなら、隣人は償いをする必要はない。

12 しかし、もしそれが確かに自分のところから盗まれたのなら、その持ち主に償いをしなければならない。

13 もしそれが確かに野獣に裂き殺されたのなら、証拠としてそれを持って行かなければならない。裂き殺されたものの償いをする必要はない。

14 人が隣人から家畜を借り、それが傷つくか、死ぬかして、その持ち主がいっしょにいなかった場合は、必ず償いをしなければならない。

15 もし、持ち主がいっしょにいたなら、償いをする必要はない。しかし、それが賃借りの物であったなら、借り賃は払わなければならない。

所有権の侵害

他人に損害を与えた場合

他人の持ち物を奪った場合は、数倍にして返すのが原則である。(1)盗みを働いた場合の規定は、「牛とか羊を盗み、これを殺したり、これを売ったりした場合、牛一頭を牛五頭で、羊一頭を羊四頭で償わなければならない」とある。(2)生きたままで見つかった場合は、2 倍にして返す。(3)盗みをした者は必ず償いをしなければならない。もし財産を持っていないなら、自分を奴隷に売ってでも償いをしなければならない。「もし彼が何も持っていないなら、盗んだ物のために、彼自身が売られなければならない」
盗人を殺した場合の規定もある。「──もし、盗人が、抜け穴を掘って押し入るところを見つけられ、打たれて死んだなら、血の罪は打った者にはない。もし、日が上っていれば、血の罪は打った者にある──」。暗い時に盗人を殺すことは正当防衛と見なされるが、日が上っているなら、それは過剰防衛であり、盗人を殺した人は、血の罪の責任を取らなければならない。
家畜を放って畑のものを食べさせる時、その家畜が他人の畑やぶどう畑のものを食い荒らした場合は、自分の畑の最良のものをもって弁済しなければならない。火災によって収穫物や畑の作物に被害が及んだ場合、出火責任者は必ず償いをしなければならない。どちらに責任があるか分からない場合は、神の前に出て誓い(具体的方法は書かれていない)、事実認定をした後に、弁済すべきかどうかを判定する。

新約聖書の例

エリコの町の取税人であったザアカイは、イエスから声をかけられ、イエスを自分の家に迎えることになった。人々はイエスに反発したが、ザアカイはこう告白している。「・・・ところがザアカイは立って、主に言った。『主よ。ご覧ください。私の財産の半分を貧しい人たちに施します。また、だれからでも、私がだまし取った物は、四倍にして返します』。イエスは、彼に言われた。『きょう、救いがこの家に来ました。この人もアブラハムの子なのですから』」(ルカ19:7 〜 9)。(1)ザアカイがイエスを救い主として信じ、回心したことは明らかである。ザアカイの信仰は、モーセの律法に従うという形で表現された。(2)4 倍という数字は、盗んだ羊を返す時の額である。
救いの原則は、いつの時代でも同じである。人は恵みと信仰によって救われる。そして、その信仰は、具体的な行動によって表現されるのである。

きょうの祈り

天の父よ。私たちは、恵みと信仰によって救われることを確認することができました。それ以外に、付け加えるものは何もありません。あなたの愛に触れ、私の心は喜びで満ちています。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アー
メン。

年間聖書通読

列王記第二11~12、使徒の働き24

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