18 民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した。民は見て、たじろぎ、遠く離れて立った。
19 彼らはモーセに言った。「どうか、私たちに話してください。私たちは聞き従います。しかし、神が私たちにお話しにならないように。私たちが死ぬといけませんから。」
20 それでモーセは民に言った。「恐れてはいけません。神が来られたのはあなたがたを試みるためなのです。また、あなたがたに神への恐れが生じて、あなたがたが罪を犯さないためです。」
21 そこで、民は遠く離れて立ち、モーセは神のおられる暗やみに近づいて行った。
先に進む前に文脈を確認しておく。(1)神がシナイ山の麓でイスラエルの民と結ばれた契約(シナイ契約)は、いわゆる宗主権契約の形式で書かれている。(2)この契約によって、神はイスラエルの民を正式な契約関係へと招かれた。(3)シナイ契約の構造は、以下のようになっている。①両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3 〜 17)。これは十戒のことである。②挿入句(20:18 〜 26)。③基本条項に付加された諸条項(21:1 〜 23:33)。この箇所は、挿入句の部分に当たる。
「民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した」。(1)この光景は、ヘブル人への手紙の中で、より詳細に描写されている(ヘブ12:18 〜 21)。この出来事は、ヘブル人の記憶に刻まれている歴史の一コマである。(2)この光景を見て、民は恐れた。「民は見て、たじろぎ、遠く離れて立った」。(3)彼らはモーセに言った。「どうか、私たちに話してください。私たちは聞き従います。しかし、神が私たちにお話しにならないように。私たちが死ぬといけませんから」。イスラエルの民は、シャカイナグローリー(神の栄光)を目撃した。その結果、自らの罪と、仲介者の必要性を認識したのである。新約聖書にも、これと同じような出来事が記録されている。「これを見たシモン・ペテロは、イエスの足もとにひれ伏して、『主よ。私のような者から離れてください。私は、罪深い人間ですから』と言った」(ルカ5:8)。(4)モーセは民に、神が直接民に語った理由を説明した。「恐れてはいけません。神が来られたのはあなたがたを試みるためなのです。また、あなたがたに神への恐れが生じて、あなたがたが罪を犯さないためです」。神が民に直接語られた理由は、民に恐れを与えるためであった。それは、死に至る恐れではなく、健全な畏怖の念である。神に対して畏怖の念を持った者は、罪を犯さなくなる。(5)「そこで、民は遠く離れて立ち、モーセは神のおられる暗やみに近づいて行った」。モーセは仲介者としての行動を開始した。民は神に直接応答することをせず、遠く離れて立っていた。そして、モーセだけが神に近づいて行った。
モーセはメシアの型である。モーセが神と民との間に立つ仲介者となったように、主イエスは神と私たちをつなぐ仲介者となってくださった。私たちは、イエス・キリストを通して父なる神とつながり、礼拝を捧げることができる。
きょうの祈り
天の父よ。私には、主イエスという仲介者、弁護士が与えられていることを感謝します。きょうも、あなたを恐れることを学ばせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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