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出エジプト記14:19 〜 22

19 ついでイスラエルの陣営の前を進んでいた神の使いは、移って、彼らのあとを進んだ。それで、雲の柱は彼らの前から移って、彼らのうしろに立ち、

20 エジプトの陣営とイスラエルの陣営との間に入った。それは真っ暗な雲であったので、夜を迷い込ませ、一晩中、一方が他方に近づくことはなかった。

21 そのとき、モーセが手を海の上に差し伸ばすと、【主】は一晩中強い東風で海を退しりぞかせ、海を陸地とされた。それで水は分かれた。

22 そこで、イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を、進んで行った。水は彼らのために右と左でかべとなった。

紅海を渡る

雲の柱

「ついでイスラエルの陣営の前を進んでいた神の使いは、移って、彼らのあとを進んだ。それで、雲の柱は彼らの前から移って、彼らのうしろに立ち、エジプトの陣営とイスラエルの陣営との間に入った」。これは、非常に重要な記述である。イスラエルの民は、雲の柱に導かれて移動した。(1)「神の使い」とは、雲の柱の中におられる受肉前のメシア(第2 位格の神)である。【主】はイスラエルの民とともに進まれた。(2)イスラエルの陣営の前を進んでいた雲の柱は、民の後ろに移動し、エジプトの陣営とイスラエルの陣営の間に立つ分離壁ぶんりへきとなった。(3)その雲の柱は真っ黒な雲だったので、エジプトの陣営はやみに閉じ込められた。しかし、イスラエルの陣営の側には光があった。エジプト軍は、一晩中、イスラエルの陣営に近づくことができなかった。神は、光の子と闇の子を区別される。

強い東風

次に、モーセが手を海の上に指し伸ばすと、強い東風が吹いて来た。その風に吹かれて、紅海の水が右と左で壁となった。10 の災いと同じように、ここでも神は自然現象(強い東風)を用いて、奇跡(超自然現象)を行われた。イスラエル人は、海の真ん中のかわいた地を進んで行った。
ここで、世界観について考えてみよう。エジプト文明とローマ文明の世界観は、ともに多神教である。彼らは、自然界の観察により、多くの神々がいるとの結論を出した。また、歴史は繰り返すと考えた。しかし、イスラエル人たちは、神は唯一であり、自然界を超越ちょうえつしていると考えた。その神は、目的をもって天地を創造した神である。イスラエル人の歴史観は、「神はご自身の計画に従って、ある目的に向かって歴史を導いている」というものである。彼らは、自分たちは神が歴史に介入された出来事を体験したという確信を持った。紅海を渡った出来事は、その体験の最高峰である。この体験によって、【主】(ヤハウェ)は先祖の神から、「私の神」となったのである。
なぜ私たちは、イスラエルの神を信じるのだろうか。また、なぜ、2000 年前に十字架上で死んだというイエスを信じるのだろうか。それは、御子みこイエスが誕生された時、神が歴史に介入されたと信じたからである。御子イエスは、呪いの死をげ、3 日目に復活された。そして、イエスの御名による罪の赦しが、ユダヤ人信者によって世界各地に伝えられた。その結果、私たちは、神が歴史に介入されたことを信じたのである。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。あなたは歴史に介入し、歴史を導かれる神です。いのちの限り、あなたとともに歩むことを志します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨシュア記11~12、ルカの福音書5